伊達直人騒動
「伊達直人」を名乗る男が児童相談所にランドセルを数個置いていった、という出来事を発端として、匿名、或いは意図的な偽名で似たような「事件」が相次いでいるらしい事をネットのニュースで見た。
こういった形での好意には、思わず顔が綻ぶ。
悪戯のような面白さもあるが、私がこういった行動に惹かれてしまうのは、そこに犯人(というのも変な言い方だが)の「照れ」が感じられるからだ。
照れないやつは馬鹿だ、と私はどこかで思っている。また、基本的には「照れない人間」は信用しない。照れもせずに誇らしげに自分の行為や思想を語る人間は、十中八九馬鹿だと思って間違いない。良い意味ではなく、悪い意味での馬鹿だ。大抵の場合、度し難い。
一連の「事件」の「犯人」達は、そういう馬鹿な連中とは、在り方として対極にある。
二元論は嫌いだが、彼らのやっている事は一般的に見て「良い事」か「悪い事」かで言えば「良い事」だろう。少なくとも批難されるような行為ではない。
そういう行為をする時に、ついつい人は「良い事をやっている私を見て」という自己陶酔に陥りがちだ。「今の私はとても正しい」、そんな風に自分で自分に酔ってしまう。
それはそれで良いかな、とも私は思っている。自分に酔おうと何だろうと、やはり「行動」として何かをやっているのは大したものだ、と思う。
しかし、美学としての理想を言えば、やはりこの「犯人」達のようであってほしい。
オレ、今「良い事」してんだよな。何だかなぁ、恥ずかしいなぁ。
「良い事」をしている自分に酔うよりは、照れる方が良い。
私の好みとしては、そんなものだ。
一連の「事件」は、見ていてとても気分の良いニュースだ。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 小岩「Back in time」10周年ウイーク突入(2020.03.19)
- 4月17日(水)セッション昼と夜で二つ(2019.04.16)
- 今度の月曜日はサックスの登さんと(2019.03.15)
- 連絡とりづらくなっております、のお知らせ(2019.03.03)
- 一人ゲネプロ大会(2019.02.26)
コメント
私もこのニュース大好きです! 矢吹丈や渡部陽一バージョンが出てきて思わず笑っちゃう☆ みんなが幸せになる事件です(笑)
投稿: ヨリカ | 2011年1月14日 (金) 12時41分
ヨリカさんへ
すっかりこの伊達直人騒動も落ち着いてしまいましたが、震災後のこんな時こそもう一度伊達直人ブームが起きてほしいものです。
投稿: ふくしまたけし | 2011年5月24日 (火) 13時24分