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2011年1月12日 (水)

伊達直人騒動

「伊達直人」を名乗る男が児童相談所にランドセルを数個置いていった、という出来事を発端として、匿名、或いは意図的な偽名で似たような「事件」が相次いでいるらしい事をネットのニュースで見た。

こういった形での好意には、思わず顔が綻ぶ。

悪戯のような面白さもあるが、私がこういった行動に惹かれてしまうのは、そこに犯人(というのも変な言い方だが)の「照れ」が感じられるからだ。

照れないやつは馬鹿だ、と私はどこかで思っている。また、基本的には「照れない人間」は信用しない。照れもせずに誇らしげに自分の行為や思想を語る人間は、十中八九馬鹿だと思って間違いない。良い意味ではなく、悪い意味での馬鹿だ。大抵の場合、度し難い。

一連の「事件」の「犯人」達は、そういう馬鹿な連中とは、在り方として対極にある。

二元論は嫌いだが、彼らのやっている事は一般的に見て「良い事」か「悪い事」かで言えば「良い事」だろう。少なくとも批難されるような行為ではない。

そういう行為をする時に、ついつい人は「良い事をやっている私を見て」という自己陶酔に陥りがちだ。「今の私はとても正しい」、そんな風に自分で自分に酔ってしまう。

それはそれで良いかな、とも私は思っている。自分に酔おうと何だろうと、やはり「行動」として何かをやっているのは大したものだ、と思う。

しかし、美学としての理想を言えば、やはりこの「犯人」達のようであってほしい。

オレ、今「良い事」してんだよな。何だかなぁ、恥ずかしいなぁ。

「良い事」をしている自分に酔うよりは、照れる方が良い。

私の好みとしては、そんなものだ。

一連の「事件」は、見ていてとても気分の良いニュースだ。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

私もこのニュース大好きです! 矢吹丈や渡部陽一バージョンが出てきて思わず笑っちゃう☆ みんなが幸せになる事件です(笑)

投稿: ヨリカ | 2011年1月14日 (金) 12時41分

ヨリカさんへ
すっかりこの伊達直人騒動も落ち着いてしまいましたが、震災後のこんな時こそもう一度伊達直人ブームが起きてほしいものです。

投稿: ふくしまたけし | 2011年5月24日 (火) 13時24分

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