奇行の記憶
アナタ花ならアタシャ蕾(つぼみ)、今日もサケサケ明日もサケ
という都々逸があるが、酒はなかなかに怖いものである。
酒が人をダメにするのではない、人がダメな存在である事を再確認させる為に酒が在るのだ、とは立川談志師匠の言葉である。
いやはや、私も日々酒を呑み、また酒に呑まれながら過ごしているのだが、泥酔時の記憶は、翌日には忘却の彼方、というのが常である。覚えている事の方が驚きだ。酔った時の記憶は、九割方が、無い。
昨日は友人のヤマと夕方の17時頃より酒を呑み始めた。一軒目は近所の立ち呑み屋だった。麻木久仁子と大桃美代子のどちらを擁護するか、という高尚な激論を戦わせた後に、我が家へ。まだかみさんも帰っていなかった為、我が家を自由に使いながら更に酒を痛飲。この辺りから随分と記憶があやふやになる。モノマネ王座決定戦を見て、「集団でB'zの稲葉浩志のモノマネをしながらAKB48の歌を歌う」という芸にゲラゲラ笑っていたのは記憶にある。
鯨飲の後、テンションの上がりまくってしまった私達は、「カラオケスナックに行こう!」というハナクソのような意見が一致し、近所にあるスナックへと向かった。或いはモノマネ王座決定戦がいけなかったのかも知れない。私達もモノマネがしたくなってしまったのかも知れない。そこについては定かではないが、この辺りがはっきりした記憶の最後の部分である。
その後の事は、記憶には無い。ただ、私を迎えに来たかみさんの口から、私に関しては以下の奇行が報告されている。
・他人が歌を歌っている時にものすごいゴキゲンになって踊る。大体は沖縄のエイサー踊りのような踊りであったらしい。
・スナックのマスターに灰皿を差し出して「すんません!ここにテキーラ入れて下さい!」と懇願し、マスターを苦笑させる。
・帰る直前に、「待って!オレちゃんと償ってから帰る!」と言って、さだまさしの「償い」を熱唱。ちなみにこの「償い」という歌、交通事故で人が亡くなるという話の歌である。
以上である。他にもたくさんの奇行が報告されてはいるが、それは割愛する。翌日に泥酔時の奇行を聞かされるというのはなかなかの羞恥プレイなので、かみさんからこれら上記の報告を受けている時の私の心情は「死にたいっ!」の一択である。本当にマジ「出かけるのをやめなさい」。
忘年会など続くこの季節、読者の皆様におかれましてもこのような奇行をする事の無いよう、節度を持って楽しいお酒を。
本日の豆知識:JR蒲田駅の発車音は「蒲田行進曲」
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