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2010年9月12日 (日)

スポーツから再び武道へ

数日前からやっている柔道の世界選手権が面白い。ここ十年ぐらいの間のオリンピックと世界選手権を全て考慮に入れても、一番面白いと私は思う。

日本(東京)開催である事も手伝って、「ホーム判定」みたいなものがやはりちらほらと散見されはするが、さほど目くじらを立てる程でも無い。あくまでも許容出来る範囲内だ。

今回の世界選手権をきっかけに、柔道という武道自体が再び面白くなる、私はそう感じているが、面白くなった一番の要因は、今回のルール改正だ。

細かい事を言い始めると専門的になりすぎてしまうので割愛するが、簡単に言ってしまえば「きちんと組んできちんと投げよう」というコンセプトのルール改正がなされた。いきなり飛び付いたりは反則ですよと、そういう事だ。

個人的に言えば「奇襲」という戦法は決して嫌いでは無い。相手の虚をつく起死回生の作戦があるから、勝負は緊張感を増していよいよ白熱する。

しかし、昨今の柔道(もしくはJUDO)では、その奇襲が逆にスタンダードになるという逆転現象が起きていた。「しっかり組み合って相手を投げる」という形よりも、例えば「相手の足をめがけていきなりタックルをかます」という作戦が幅を効かせていた。

たまに見る奇襲には「なるほどそういう手もあるなあ!」と興奮するが、ほぼ毎試合と言って良いほどにそればかりだと、随分と食傷気味になる。

今回からはその奇襲が反則とされた。反則、とまでしてしまうのはいささかやり過ぎに感じなくもないが、最早そこまでやらなくては収集が着かなかったのだろうな、とも思う。いずれにせよ、そういった奇襲的な攻撃が禁止とされた。

今の所、そのルール改正は良い方向に出ている、と私は感じる。スポーツ化してしまった柔道が、再び武道に戻りつつある、少々大袈裟に言えばそんな感想だ。

今、世界柔道がアツい。残りの数日も見逃せない。

二つだけ苦言を言うと、寝技の際の「待て」のタイミングが早過ぎる事と、テレビで実況しているフジテレビの「煽りVTRの鬱陶しさ」だ。

我々ファンは、もっとじっくり柔道を観たい。

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