再び福岡へ
祖父が他界する。
私には父方と母方で、合わせて二人ずつの祖父と祖母がいた訳だが、これで一人もいなくなった。
亡くなった祖父も、実に90歳。人間の一生としては決して短い方ではない。この世を去ってしまった事に勿論寂しさはあるが、それだけの年数を祖父が生き遂げた事に、それなりの感銘もある。
10日ほど前に、まだ彼の意識がある内に、私はカミさんと共に彼の元を訪ねた。
病室のベッドに横たわる彼に、「ジイちゃん、剛だよ、わかる?」と聞くと、彼は頷いた。
「結婚したんだよ、コレがカミさん」と傍らの奈美子を紹介した。
彼は私と奈美子に一瞥をくれた。
「お互いに…」と口を開いたが、言葉が次がなかった。
伯母が、「お父さん、何?『お互いに、仲良く』?」と尋ねると、祖父が笑顔で頷いた。
「うん、仲良くやるよ」と私が言った。
私には、それが彼の最後の言葉となった。
わかりました。仲良くやります。色々ありますが、頑張って夫婦仲良くやっていきます。
ジイちゃん、ありがとね。
| 固定リンク
「命日」カテゴリの記事
- 吉本隆明さんの訃報(2012.03.16)
- 今日ぐらいは思い出しても良いかな(2012.01.31)
- 無題(2011.06.01)
- 六年目の一月三十一日(2011.01.31)
- 再び福岡へ(2010.06.23)
コメント
おじいさん、ご冥福をお祈りします。
じいちゃん、福島くんの新婚生活覗きにくるんじゃない?四十九日終わるまでは、魂はこちらにいると言われるからね。
あ、でも、福島くん、こういうの信じないか。
投稿: クロサバ | 2010年6月26日 (土) 01時03分
クロサバさんへ
うん、あんまり信じないけど、でも別にそういうのを否定してる訳でもない。どっかでそういうのがあれば良いな、とは思ってるんだよね。
投稿: ふくしまたけし | 2010年7月 8日 (木) 17時30分