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2010年6月 4日 (金)

「溶ける」という感覚

昨日の品川トライベッカ、お越し下さった方々はまことにありがとうございました。

いやしかし楽しかった。心の底から楽しかった。

1セットに何曲、というのはあらかじめ決めていて、一曲一曲が終わる度に終わった譜面を後ろにまわしていく。

すごく夢中になって小説を読んでいる時や映画を観ている時に、残りのページ数や時間が減っていく度に何とも言えない寂しさを覚えるようなその感覚。それに酷似したものを昨日の演奏では味わった。

ああ、あと三曲でこのステージも終わりか、まだまだずっとこの人達と演奏をしていたいな。そんな感覚。本当に一曲一曲が愛おしくて、名残惜しいような、そんな感覚。

共演のおおたりこさんと日下部史貴さん。やはり大変に素晴らしい音楽家で、そんな幸せな感覚を身体いっぱいに味あわせていただいた。

そういう時に、何とも形容しがたいのだけれど、「無私」みたいな状態になる。「こう弾いてやろう」だとか、「ここでこんな事をしてやろう」という感覚ではなくて、ただ流れに身を任せる。音楽というものが創り出す「うねり」のようなものの中にただひたすらに身を沈めていくような感覚。そんな感覚は、当たり前なのだけれどものすごく心地良い。

そういう感覚を味わえた事にも、また味わせてもらった事にも深く感謝。

以前にも書いたけれど、おおたりこは今月から暫く日本を離れてしまう。彼女が帰って来た時にまた一緒に楽しい演奏が出来るように、私もひたすらに精進あるのみだ。素晴らしい彼女の歌や、日下部さんのベースに対してしっかりと「溶け込める」ように。

さて、本日は高円寺アフターアワーズでライブ。共演の楠原木曜は鉄琴奏者。なのに今日は歌まで歌うらしい。ジャズから歌謡曲まで。先日軽くリハーサルをしてきたが、彼曰く、「思い出の曲特集」だそうだ。ハーモニカの皆川和義もゲストで参加予定。何だか楽しい夜になりそうだ。

という事で、ただ今より高円寺へ。

奈美子が高円寺から小岩に引っ越して以来、久しぶりの高円寺だ。楽しくやってきます。

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