ハンカチ→マーくん→マエケン
現在29歳〜30歳の野球選手達は、通称「松坂世代」と呼ばれた。名前を冠された松坂大輔選手の他にも、投手では杉内俊哉選手、和田毅選手、新垣渚選手のソフトバンク勢、野手では横浜の村田修一選手に広島の梵英心選手、その他多数、と、実に多くの優秀な野球選手を輩出した「豊作の年」であった。
年に数人かは必ず優れた野球選手は出てくる。それはほぼ当然の事なのだが、ここまで集中的にスター選手が多数出た時には、そのような「何々世代」という呼称が付けられる事も珍しくない。
その後の有名な「世代」と言えば、現在21歳〜22歳の世代である。
甲子園夏の大会の決勝戦、駒大苫小牧高校と早稲田実業高校の死闘を鮮明に覚えておられる方も多いだろう。そう、「マーくん」こと田中将大選手、そして「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹選手の有名な投げ合いである。
この世代もまた、「松坂世代」に負けず劣らずに豊作な世代である。
当初、前出の甲子園での決勝戦において斎藤佑樹選手が投げ勝った事からこの世代は「ハンカチ世代」などと呼ばれた。しかしその後の田中将大選手のプロ野球やWBCでの大活躍から、その呼称は次第に「マーくん世代」という呼称にシフトしていった事は有名である。
しかし、この呼称もまた変化するのではないか、私はそう思っている。「ハンカチ世代」から「マーくん世代」へ。そして「マエケン世代」へと。
そうなのである。この世代、「ハンカチ世代或いはマーくん世代」には、広島カープの「マエケン」こと前田健太選手がいる。私はこのマエケンこそは、その世代を代表する大投手になると予感している。その予感はこの1ヶ月にあって、ほぼ「確信」へと昇華した。
世代を超えたプロ野球界の絶対的エースは誰か、という問いに、現在最多得票を獲得する可能性が最も高い投手は、日本ハムファイターズのダルビッシュ有選手である。好き嫌いは別にしても、やはりそう答えざるを得ない技術と迫力が彼にはある。私は個人的には彼のピッチングは好きだが。
そのダルビッシュ有選手と前田健太選手が、10日ほど前の広島対日本ハム戦で投げ合った。エース同士の力のこもった投手戦、スコアボードには綺麗に無得点を表す0の文字が並んだ。
結果としては、九回裏にマウンドを譲ったのがダルビッシュ選手。代わったピッチャーが広島の赤松真人選手にサヨナラ打を許し、広島が勝利を飾った。
この試合を見た時に、私は「マエケンいよいよ飛翔の時」という確信を得た。ダルビッシュ選手という、日本球界を代表する選手と見事にがっぷり四つに渡り合い、そして競り勝ったのである。そういった事をきっかけにして有り余る才能が一気に開花する事はあるだろう、と思ったのだ。
実際にはもう少し前に彼の才能は開花していたようで、本人曰わく、今年の開幕間もない頃の東京ヤクルトスワローズ戦において田中浩康選手に投じた一球のストレートが自分のピッチングを変えた、そこで「掴んだ」と言うのだ。確かにそういう所もあるのだろう。
現在セ・リーグにおいて、勝利数、防御率、奪三振の三部門においてトップに君臨するマエケン。このままいけば何かしらのタイトルを獲得する事も全くもって夢の話ではない。願わくば、広島首脳陣に、彼の投手生命を一年でも伸ばすような起用を望む。
10年後、彼らの世代が「マエケン世代」と呼ばれるのを楽しみにしている。
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