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2010年5月 9日 (日)

池袋の夜

昨日はレッスンの為に少々久しぶりに池袋へ。

夕方過ぎに終わってから、池袋のジュンク堂へ、友人石田ゆうすけさんのトークショーを観に行く。作家である彼が、「とまこ」さんというお絵かき作家の方と二人でトークショーをやっていたのだ。

トークショーは面白かった。トークショー後のサイン会において、一緒に行った奈美子がとまこさんの本を一冊買っていた。私は石田さんの著作を持参していくのを忘れたので、たまたま持っていた村上春樹の『1Q84』にサインをしてもらおうと思ったが、ジュンク堂の人に怒られそうなのでやめた。

終わってから奈美子と帰ろうとしていたら、石田さんからメール着信。「ちょっとだけ呑みに行こうぜ」と。「ロンモチだよチミィ!」と返す刀で池袋に戻り、奈美子と三人で呑む。某居酒屋に入り、そこで『1Q84』にサインをしてもらう。石田さんは、「村上春樹」とサインをして、その上に「いしだゆうすけ」とルビをふっていた。悪ふざけにも程がある。頼むからガチの村上春樹ファンの方は怒らないで欲しい。

石田さんは、昔、旅先のパキスタンで知り合った人だ。私はなかなかに薄情な人間なので、旅先で知り合った人たちとの交友が今でも続いているという事は殆ど無いのだが、二人だけ交友が続いている友人がおり、石田さんはその内の一人だ。彼は作家だと書いたが、現在は旅の事を書いた本を何冊か上梓している。あとは、「SMの歴史」についての本と、「オレの考えたオリジナル手淫」についての本を上梓していたような気がしないでもなかったような気がするような今日この頃である。

なので久しぶりに少しだけ旅の話をする。

「旅に出て人生観が変わる」という事について話した。

「変わらんよなあ、そんな簡単に」と彼が言う。

「変わりませんでしたなあ」と私が答える。

そう、私も何度か旅行をした事があるが、人生観が変わらなかった。

よく、「インドに行けば人生観が変わる」などと言うが、私は変わらなかった。その時には私はまだ若かった為に、「やべえ!インドまで来ておいて人生観が変わらねえってマジやべえ!」と焦った。「ひょっとしてオレの感受性ってムチャクチャ鈍いんじゃねえの!?」と。

インドにバラナシというヒンドゥー教の聖地があるが、そこに行っても人生観は変わらなかった。とても面白い街なのだけれど。

仕方が無いので、バラナシの中のゴウドリヤー交差点という所があるが、そこで売っている「何とかラッシー」という不思議なドリンクを飲んで、がんがんに酔っ払った状態でガンジス川にぷかぷかと浮いて、「うーん、これで人生観が変わった、っていう事にしておこう…」と自分を無理矢理に納得させた。単に酔っ払って行水をしていただけなのだけれど。

石田さんが言った。「『No travel , No life』って言葉を見たんやけど、「はあっ?」っていう感じせえへん?」と。

すごくよくわかる。「あ、ぼくも『No music , No life』っていう言葉が嫌いです」と答えた。

勿論、彼も私も旅は好きだし、音楽は好きだ。大好きだ。けれど、それをそういった感じで神聖化するのが嫌いなのだ。そういう部分では彼と私はすごく似ていて、だから話していると楽しい。すごくラクなのだ。

後は一通り下ネタと野球の話ばかりを話す。げらげらと笑う。正しい酒の呑み方だ。

楽しい時間を過ごして来ました。

そんな彼の著作はこちら。

「いちばん危険なトイレといちばんの星空」

「行かずに死ねるか!(文庫版)」

「洗面器でヤギごはん」

「道の先まで行ってやれ!」

私も全て読んだのだけれど、どれもとても面白い。所謂「普通の旅行本」とは随分と異なる面白さがある。それは読んでみて確認して欲しい。

探してみたのだけれど、SMの本と手淫の本が見つからなかった。

あれ?出してなかったかなあ。

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