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2010年4月22日 (木)

人、そしてまた酒を呑む

もう酒は懲り懲りだ、と、これまでの30年間の人生の中で、恐らく5兆回は思って来ている。

煉獄のような二日酔い。押し寄せる嘔吐感と倦怠感。そして頭痛。

全て酒のせいだ。酒が元凶なのだ。

だのに何故、私はまた酒を呑むのか。

「わかっちゃいるけどやめられねえ!」と植木等的なテイストで開き直ってしまうのも、手段としては確かにアリだが、しかし事の真相はそれほど安易では無い。

今日も今日とて煉獄の如き二日酔いと戦いながら半日を棒に振り、夕方からもさもさと起き出してきてピアノの前に向かう。

日々のルーティンとして自らに課している練習を完全にすっ飛ばして、弾きたい曲を弾きたいように、いわば「本能の赴くままに」ピアノを弾く。

それもたまには悪くない。たまには悪くないのだが、やはりそれは「たまに」だから良いのであって、日々そんな事ばかりしていれば、あっという間に技術は錆び付いてしまう。ただでさえ少ない技術なのに。

何も考えずにピアノを弾いていると、何とはなしに感傷的な気分になる。

「あー、オレはやっぱり下手だなあ。まあ仕方ねえよなあ。」などと。

それはそれなのだけれど。確かにそれはそれなのだけれど。

やはりどこかに「上手くなりたい」という欲求も確かにある。その為にしなければならない事も、朧ろげではあるが全容を掴みつつある。

ただ、「やっていない」。それだけの話なのだ。

何たる怠惰。何たる怠慢か。

漫然と日々を過ごしながら、何を造る事も何を生み出す事も無く、何となく死んでゆく。

そんな人生を私は望んでいたのだろうか。

力無くうなだれて、また酒を呑む。

明日はどっちだ。

また明日、生きなければならない。

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日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

コメント

わたしはあなたに結構啓蒙されています
忌野清志郎やらもさんやジュリーや色々な人を尊敬していますが、あなたもその中の1人です。

投稿: ボクサー | 2010年4月22日 (木) 22時16分

オレも今朝はハードな二日酔いだったよ。
もう深酒はこりごりだ。
ほんとに死んじゃうよ。

投稿: ヤマ | 2010年4月23日 (金) 00時32分

ただ漫然と生きる…何の生産性もない毎日。そして、焦燥感と自己嫌悪。けれどもそこから抜け出せない、変えられない自分の弱さ。そうやってもがきながら生きてる人が大多数じゃない?
酒を完全に絶ちたかったら、酒が全く手に入らない環境に身を置くしかないだろうね。山にこもって仙人修行するとか。
私の場合は、酒の代わりにテレビとネットだね。だって、面白いんだも~ん。ずーっと見てても飽きない。まあ、今は昔ほどは見られなくなったけどね。

投稿: クロサバ | 2010年4月24日 (土) 01時13分

ボクサーさんへ
ありがとうございます。でも啓蒙はしないで下さい。中島らもが昔書いていた「カネテツ啓蒙新聞」を思い出しました。

投稿: ふくしまたけし | 2010年5月 9日 (日) 12時52分

ヤマちゃんへ
いやいやいやいや。また深酒しようぜ。奈美子に怒られない範囲内で。

投稿: ふくしまたけし | 2010年5月 9日 (日) 12時53分

クロサバさんへ
酒を断つのは無理だなあ。禁煙より遥かにハードルが高い。禁煙も出来ないけど。
ま、確かにネ。言う通り、なかなか弱さを克服できないけど、それでも何とか生きてるものね。

投稿: ふくしまたけし | 2010年5月 9日 (日) 12時56分

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