神復活
神が復活した。再び、この地に祝福と災いとをもたらしてくれる。天変地異の時は近い。
気が狂った訳では無い。本当に神が復活したのだ。
昨日の横浜スタジアム、広島カープ−横浜ベイスターズの裏天王山、熾烈な最下位争いが行われていた。
横浜ベイスターズの先発ピッチャーは千葉ロッテから移籍した清水直行。150キロ近いストレートと魔球のように曲がるスプリットを武器にする好投手である。
余談だが、彼は一昨年に、32歳という若さの最愛の夫人を病により失っている。その辛さたるや我々野球ファンの想像の計り知れない所である。そういった彼の苦労を考えると、どうしても応援したくなる野球選手の一人である。
昨日の清水投手は、まさに快刀乱麻のピッチング。12球団の中でもダントツのヘボさを誇る我らがカープ打線をキリキリ舞いにさせていた。
対する我ら広島カープの先発ピッチャーは、長谷川昌幸投手。いつもの通り、フォアボールを連発した挙げ句にカウントを整えにいった甘い球を痛打されるという貫禄のピッチング。三回裏の時点で既に5失点という内容で、試合は大勢を決していた。
横浜ベイスターズは好投の清水投手を7回表で下げ、後続のピッチャー陣に後を任せた。
7回を江尻、8回を牛田が零封し、迎えた9回表、横浜ベイスターズのマウンドには若きクローザー、山口俊投手が上がった。
持ち前の豪速球で先頭打者の嶋をライトフライ、続く新外国人(クソ外国人)ヒューバーをサードゴロに打ち取った。
2アウトランナー無し。スコアは6−2、もはや横浜ベイスターズの勝利はほぼ確定的だった。
そこに、神が降臨した。
キャッチャー石原の打順、代打がコールされる。
現れたのは背番号1。そう、現人神(あらひとがみ)でお馴染みの、前田智徳である。
球界最高峰の打撃技術を持つ神が、四球目に投じられた渾身のストレートを、一振りで斬って落とした。
白球は、ライトスタンドへ。静寂を切り裂く、ホームラン。まさに「神復活」の瞬間であった。
今年は何本、神のホームランが見られるのであろうか。流石は「男前田」、役者が違う。
などと興奮状態に達したカープファン。
次の打席で代打に立った赤松真人選手はいささかアホなので、どうやら神のホームランを間近に見て「うおっ!カッコいい!オレもオレも!」となったのかどうかは知らないが、扇風機のような大振り。あっさりと空振り三振。赤松は大変良い選手で私も好きなのであるが、いかんせん頭が悪い。そこが愛らしくもあるのだが。
そんなこんなで神が復活した。
さあ、他球団ファン達よ、ここから神の恐怖に脅えるが良い。
大丈夫、点ならウチの自慢のクソピッチャー陣(マエケンを除く)がいくらでもくれてやるわい。
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