« 雷にでも打たれてしまえ | トップページ | 早春賦と警察 »

2010年3月 5日 (金)

今年のカープへの期待その2

大好きな野球選手というのはそれはもうたくさんいて、「枚挙に暇が無い」というのは正にこういう時に使う言葉なのだなと思う。

勿論どうしたってカープの選手に好きな選手は多いが、他球団の選手にも好きな選手は多い。

中日ドラゴンズの井端弘和内野手、東北楽天イーグルスの田中将大投手、北海道日本ハムファイターズのダルビッシュ有投手、読売ジャイアンツの大道典嘉外野手、東京ヤクルトスワローズの宮本慎也内野手、他にも好きな選手はたくさんいる。

だが、一番好きな選手は誰なのか、と聞かれたら即答だ。

広島東洋カープの前田智徳外野手。彼は現役選手だけでなく、既に引退した選手を入れても、私の一番好きな選手なのだ。

極端な話、私にとっては「野球ニアイコール前田智徳」でもある。

広島戦を見に行く時、私はいつも心のどこかで思う。「今日は前田が見れるかな」と。

彼がバッターボックスに立つ。彼のテーマソングを大声で歌う。「狙い絞って振り抜け、速く鋭い打球を、飛ばせ明日へ向かって、輝け前田」と。その時の私の高揚感たるや、少なくともスポーツ観戦においては他に比肩しうるものを知らない。

彼は昨年一年間を、怪我の為に棒に振った。一部では前任監督のマーティ・ブラウン氏との不仲説も囁かれたが、そういった事は所詮は憶測の域を出ない。結果として「前田智徳は2009年、一度も試合に出なかった」。それが全てであり、それ以上でもそれ以下でも無い。

彼が三軍のグラウンドで何を思いながらバットを振っていたのだろう。イチローが憧れ、落合が「天才」と称した孤高のバットマン。ホームランを打っても、自らの理想とする打球から離れていればベースランの最中に首を傾げる事さえあった変わり者。幾度の怪我に泣かされながら、彼は今何を考えているのだろう。

そんな彼が、今年は復活を期している。代打専門のポジションではあるそうだが、我々ファンは今年こそその芸術的なスイングを目にする事が出来るのだ。

彼が、3月4日のマツダスタジアムにおける埼玉西武ライオンズとのオープン戦に、約二年ぶりに出場したそうだ。

結果は三振。快音は聞かれず終いだったそうだが、私は思う、「もしその場に私が居合わせていたら、私は果たして溢れ出る涙を堪える事が出来ただろうか」と。

背番号1。彼の姿を球場で見れる。今年こそ見れる。

代打前田智徳の名前がコールされ、仏頂面の背番号1が集中した面持ちで打席に向かう。

どこまでも高く、打球は空に吸い込まれていく。

そんなシーンを想像したら、今から涙が出そうなのです。

お帰りなさい、前田智徳。

|

« 雷にでも打たれてしまえ | トップページ | 早春賦と警察 »

スポーツ」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 雷にでも打たれてしまえ | トップページ | 早春賦と警察 »