映画「いけちゃんとぼく」
西原理恵子原作の映画、「いけちゃんとぼく」を観る。
全編を通して言えば、子供達の交流を描いた映画であるが、まるっきり子供向けの映画ではない。
少々ネタバレもあるが、私の印象を簡単に記してみれば、「どこまでも優しい怨念を描いた映画」という印象だ。
「ぼく」の傍にいつも現れるいけちゃん。そのいけちゃんの正体を知った時に、とても切ない気持ちになる。
正直に白状すれば、中盤は観ながら少々ダレてしまった所もあったが、ラスト20分ほど、私は号泣していた。
出番としてはほんの数分しか出て来ないのだが、吉行和子の演じる老婆、この人物が最終的には全てを持っていく。無論、主人公だと言ってしまっても差し支えない。
私は最近妙に自分の死について考える事も増えたが、この映画を観る事によってまた、更に生きる事と死ぬ事とを考えさせられた。
不思議な、しかし秀逸な叙情的映画である。
観に行って良かった。
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