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2009年7月26日 (日)

無が在るという事

石田ゆり子という神がいるが、彼女が十代の若かりし頃には国体クラスの水泳選手だった事は有名過ぎる事実である。ジャイアント馬場がプロレスラーになる前には野球選手だったというのと同じくらい有名な話だ。ちなみに現在中日ドラゴンズの監督である落合博満氏の前職はプロボウリング選手である。明日使えるムダ知識を提供していくのも当ブログの大切な役割である。

さて、その神、石田ゆり子。彼女が元水泳選手だという話を知ってから、私はずっと水泳選手に対して美的採点基準はかなり甘い。取り分け石田ゆり子神が平泳ぎを専攻していたので、平泳ぐ女性は綺麗に見えて見えて仕方がなかった。平泳ぎとは神の泳ぎである。私はそう信じて疑わなかった。

水中で、両の掌(たなごころ)が胸元へ引き寄せられる。まるで何かのエネルギーをため込むかのように、躯は一瞬にして折り畳められ、そしてそれが刹那、炸裂するかのようにしなやかに伸びる。平泳ぎのフォルムは、他のどの泳法よりも美しい。少なくとも私はそう思う。

いや、思っていた。

平泳ぎは美しい。これは間違いのない事実である。

では何故私が「思っていた」と過去形にして語らねばならないのか。この苦渋の言葉を絞り出さねばならないのか。重要なのはこの点だ。

私は平泳ぎよりも美しい泳法を発見した。

そう言う事も出来る。

そう言えなくもある。

真実と虚構は常に背中合わせだ。

結論から先に言おう。

平泳ぎよりも美しい泳法。それは「泳げない」という在り方である。

このコペルニクス的転回に至った時、私は一種の解脱に似た境地を味わった。

無というものが在る。この形而上学的認識。日々を哲学しながら生きる、深遠な私ならではの認識である。

美しく平泳ぐ女性を凌駕するのは、泳げない女性に外ならない。私ぐらい思慮深い人間ともなれば、これぐらいの結論に至れるのである。羨望の眼差しで私を見る事を躊躇わなくて良い。間違っても「あ、フクシマがついにガチに狂いだした」などと思ってはいけない。

今、私は「泳げない女性」を愛でようという、岩よりも固い決意と共に在る。

夏も盛りに入る。海に遊びに行くのも良いだろう。プールに泳ぎに行くのも良いだろう。

だが、泳げない貴女は、誰よりも美しい。大丈夫だ、水着にならなくて良い。そもそも海は泳ぎに行く所ではない。魚釣りをしに行く所だ。共に魚を釣ろう。美味い酒を呑もう。

いやね、最近「泳げない女性って超良いな」と思ったのですけれど、それを大仰に書いてみました。

早く死ねば良いのに。

そうそう、昨日のピアノトリオのライブはむちゃくちゃ愉しかったです。花火に行かずにご来場頂きました皆様方、ありがとうございました。次回は10月17日です。

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コメント

 恥ずかしながら、私は石田ゆり子御大がスイマーであることを今の今まで知らなかった。

 これは、
 『女房酔わせてどうする気?ってゆりたんに言われて不快感を覚えるヘテロ男性がいるだろうか、否いない』理論を
唱えてきた私にはあるまじき失態である、どうかふくしま殿の狸の玉袋のように広い心で許して頂きたい。


 ゆりたんて、白ワンピースにルーズに結い上げた黒髪、
 顔の小ささにはちょっと大きすぎる麦藁帽でずっと水平線を見つめていそうな女神よね。

投稿: 和香 | 2009年7月27日 (月) 05時36分

和香ぱいへ
白ワンピースにちょっと大きめの麦藁帽子…
いいっすなあ、ロマンがありますなあ…
御大はそう、元スイマーなのですよ。レーザーレーサー社の競泳水着を着た御大が見たい。

投稿: ふくしまたけし | 2009年7月27日 (月) 22時36分

今頃、コメント書きます。

石田ゆり子神の魅力は、栄養士の免許も取得していまして、料理もお上手なところです。自由が丘でスカウトされたのが芸能界入りのきっかけ。
プールは、化粧落とさないと入場できないので、ほとんどすっぴんですね。私も水泳やっているので、女性のみなさん、年齢のわりにお肌が綺麗で健康美でございます。
実家は我○子市で、お父様は、柔道の有段者。
北野武監督作品にも出演しています。
ここだったら、ゆり子神について語れると思いまして。

ほほう。女性には即おコメントですか。
福島さん、岡田以蔵とレッスン近くでお待ち致し候(笑)狂気の長州男児と。
嘘です。

一人旅が好きな女性は尊敬します。

異常! ではなく、以上。

投稿: けんぞう | 2009年8月 3日 (月) 02時33分

けんぞうさんへ
あ、そうそう、先に断りを入れておきますが、当ブログでのコメントへのレスは、大変遅い事で有名です(笑)大体二週間までは許容範囲無いとして見てもらわないと。
ゆり子神のキタノ映画は、「3-4X10月」ですよね、よく覚えています。大変美しかった。
でも、実家は我孫子なんだ。それは知らなかったな。ずっと愛知県だと思ってた。

投稿: ふくしまたけし | 2009年8月 3日 (月) 16時07分

現在、両親の住んでいるところが我孫子市ですね。ゆり子神のことは、福島さんの方がお詳しいと思うので申し訳ない。
お父様の仕事の転勤で、台湾に住んでいた時期もありますね。
私は、あまり写真集は買わないのですが、ゆり子神の20代の頃の写真集を神保町で買いました。
旅行会社のパンフレット(無料)が1万円ぐらいで
昔売ってましたね。
ゆり子神の写真集は、古本屋でも、あまり見かけませんね。

恋人が目がみえなくなるストーリの映画もよかったです。
真面目に語ってしまいました(笑)

投稿: けんぞう | 2009年8月 4日 (火) 02時14分

けんぞうさんへ
またも大変遅いレスでございます。ご容赦の程を。
恋人が目が見えなくなる映画、「解夏」、ですね。これはさだまさしが原作の小説を書いているのですが、大変切ない話でして、読了後ぼくはえぐえぐと半べそをかいてしまいました。映画化されてからのゆり子神は会いも変わらずのバツグンの破壊力。この季節にもう一度観たくなる一作です。

投稿: ふくしまたけし | 2009年8月13日 (木) 15時08分

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