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2009年6月 3日 (水)

正論に先立つ爽やかさ

とても憧れる芸能人の一人に、「ザ・ウルフルズ」のトータス松本がいる。彼みたいな格好良さを身に付けられたら人生は幾らか違うだろうなとは思うが、それはまず間違いなく叶わない事であるので、どうでも良いのだが。

彼のように、青臭い台詞を何の衒いもなく言える人間、そういう人間は、そもそも嫌いだ。嫌いというか、いささか苦手なのだな。

トータス松本がブラウン管越しに言う台詞は、基本的に青臭い「正論」である。

「正論」を吐く人間というのは、大抵の場合自らの吐く台詞に酔っている場合が多い。「正論」という武器を持つ事で「自分はこんなにも正しい人間なのだ」とこれ見よがしに主張する事でしか自己主張の出来ないサムイ連中である。そんな人間達の言葉は決して届かない。少なくとも私には。だってそういうヤツに限って「お前の為を思って言ってる」とか言うんだもの。超嘘臭い。ホントは自分が言いたいだけなのに。

では「正論」を吐く人間は、皆総じてシャラ臭い連中なのか。そう考えた時に、「否」と答える根拠になる有名人を私は三人知る。一人はMr.ジャイアンツこと長嶋茂雄、少々過去に目を向ければ、もう一人は坂本龍馬。そして最後の一人がトータス松本である。

彼らは、極めて自然に「正論」を吐く。そこには打算的な何かは無い。少なくとも私には見て取れない。いくら「正論吐き」が嫌いな私と言えども、彼らはどうしたって嫌いになれない。どこまでも憧れの対象である。

例えば。

「希望を持って、夢に向かって頑張りましょう!」という台詞。

こんな台詞を吐く人間は、キチガイかシャブ中ぐらいだと思っていたが、上記の三人などはこんな台詞でも似合ってしまう。

坂本龍馬は現代を生きる人間ではないから取り敢えずは置いておくとして。

想像してみよう。

ミスターが、「いつかはキミもベースボールのスターになれる!頑張れ!」というシーン。

トータス松本が「まあ色々あるけど頑張らなしゃーないやん。元気出してこ!」というシーン。

そんな所謂「前向きシーン」が大嫌いな私でさえ、そこに反感は抱かない。いや、抱けない。「ほぼ」抱かないのではなく、「完全に」抱かない。

それはあまりにも先行し過ぎる彼らの「爽やかさ」所以である。彼らは、どこまでも爽やかだ。中途半端ではなく、極端に爽やかな人間を見ると、「カッコイイ…」と無条件に思ってしまう。広島カープの熱狂的なファンで、アンチ巨人阪神な私がどうしたって嫌いになれない、いや、むしろ大好きな長嶋茂雄、その原因は恐らくそんな所にある。

テレビのCMで久しぶりにトータス松本を見た。惚れ惚れするような匂い立つ男振りに、半ばうっとりとした。

遥か遠くの星の、途轍もなくカッコイイ有名人。そう思う。ああいう格好良さを携えている人間はあまり見ない。

彼のようになりたいなどとは思わない。

尚且つ、彼のような男に惹かれる女性の心理もわかる。

道理で私みたいなのはモテない訳だ。

モテないながら、先週の日曜日はデートに行った。午前中でちゃっちゃと別れたけれど。でも久しぶりに超愉しかったからそれで良いのだ。

思い出した。

ある偉人の言葉を。

「これで良いのだ」。

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コメント

トータス、かっこいいね。サザンのクワタと同じくらいかっこいい。トータスにはあまりエロイイメージはないけど、クワタはエロイけどかっこいい。そういうタイプの男って珍しいよね。

投稿: クロサバ | 2009年6月 4日 (木) 15時59分

クロサバさんへ
ぼくはエロくてカッコ悪いタイプの男なんですが、こういうパターンの場合はどうしたら良いんでしょうか。
あ、そっか、死ねば良いんだ。

投稿: ふくしまたけし | 2009年6月 6日 (土) 18時56分

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