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2008年11月11日 (火)

平和に生きる権利

『平和に生きる権利』という曲を練習している。

チリの作曲家、ビクトル・ハラ氏の作品である。

良い曲だな、とずっと思っていて、弾いてみたいな、と思っていた。私の好きなサキソフォン奏者の登敬三氏が演奏しているのも、二度ほど目にした事がある。素晴らしい演奏だった。

ベトナム戦争に向けて歌われた歌だ。

静かに、平和に生きる権利が誰にでもある、と訴えられる。

当たり前の事だ。

当たり前の事を言い続けた人が亡くなった。

平和の尊さを口にし続けたニュースキャスター、筑紫哲也氏。私は彼が好きだった。

穏やかな物言いながら、確固たる信念に基づいた、ある意味では「頑固な」事を言い続けていた。

二度と戦争を起こしてはならない。暴力は何も生まない。沖縄の基地を撤廃させよ。朝鮮人を差別するな。

無論、そう言った彼に対して批判が多かった事も知っている。しかしテレビという巨大なマスメディアを通して、その正当性は別にして、一貫して「当たり前の平和」を訴え続けた彼の姿勢に、私は憧憬の念すら覚える。

以前にも書いた事があるが、匿名でしかものを語る事の出来ない人間、つまり「リスクを負う覚悟のない人間」を、私は殆ど信用しない。

本当に言いたい事を言う。その行為には、リスクがつきまとって当然だ。時には命すら狙われるやも知れないのだ。筑紫哲也氏のように。

それでも、暴言や中傷、脅迫に屈さずに最後まで一貫して平和を訴え続けた筑紫哲也氏。まずは彼のその「覚悟」に心より賛辞を送りたい。

人前で、リスクを背負いつつ、脅えながら、それでも自分の意見を口にしたい。私も強くそう思う。

彼の「多事争論」を最早見ることが叶わないのは、残念で仕方がない。

合掌。

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コメント

しかもカープファン!

投稿: ラバーソール | 2008年11月12日 (水) 23時04分

ラバーソールさんへ
左翼でカープファンで中島みゆきのファンでもあったのだよ、筑紫さんは。親近感を抱かないはずがないね。

投稿: ふくしまたけし | 2008年12月 4日 (木) 15時23分

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