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2008年11月27日 (木)

29歳の誓い

今月の8日に、私は29歳になった。

歳を取るとは馬鹿げた事だと、いつも思う。私は29歳になる為に、何がしかの努力をしたのであろうか。無論、していない。誕生日というしかるべき時がやってきたその瞬間に、極めて無機的に、そしてオートマティックに私は29歳になっただけだ。好むと好まざるとに関わらず、半ば強制的に私は29歳になった。馬鹿げている。滑稽である。

仮に数字にある程度の絶対性を担保させるならば、年齢というものは途轍もなく絶対的な基準になる。絶対的な時間軸を基準にして、何日何秒をこれまでに生きてきたか、という指標となりうるからだ。

しかし我々はみんな知っている。それが如何に脆弱な基準であるかをも。

時間が本当に絶対的なものであるならば、年齢によりある一定の共通項は見える筈だが、実際はそうではない。

例えば中学校に入学した時。皆が皆一様に12歳で統一されている。この情報が示す具体性は「皆、この世に生を受けてから12〜13年の月日を過ごしてきた」という一点である。もしもそこに誕生日が同一の日の人間がいたならば、経過した時間の親和性は更に増す。生まれてから、ほぼ同じだけの時間を過ごしている、という意味での。

しかし当然ながらそこには厳然たる差異が存在する。

例えば私は中学校入学当時、145cmしかなかったが、友人などは160cmをゆうに超えていた。お陰で私の性格は、か細い針金よりも簡単にねじ曲がった。

身体的な特徴は、経過した時間の長さのみならず、遺伝的な要素にも大きく左右されるのかも知れない。つまり一概には言い切れない部分もあるが、同じ12歳でも体格が異なる、それは時間(年齢)が絶対的な基準にはなりえない事の一つの重大な論拠だと言っていいだろう。

性格的な部分、言い換えれば精神的な成熟度、そこに焦点を当ててみたい。

身体的な差異よりも、精神的な成熟度に関する差異にこそ、大きな違いが生じる。私はそう考える。

私は青臭い10代を過ごし、痛々しい20代前半を経て、嘘臭い20代後半へと突入して現在に至っている。次第に悪びれる事も減ってきた。酒の席で泥のように酔い、他人様に(恐らくは甚大なる)迷惑をかけたとしても、「ま、そんな事はどうでもいいけどな!」と独りごちて記憶は忘却の彼方へと葬り去る。屑人間としては随分と高いレベルにまで上り詰めつつある、そう自尊する私は早く死ねば良い。

しかし、同じ29歳でも、私のように「終わってしまって」いる人間など、殆ど見かけない。皆、ある程度成熟していて、ある程度未熟である。それなりに悲しみを知り、溜飲を下げ、焦燥の中で諦めを味わう。泣きそうなほどに情けない日々や惨めな日常の中で、それでも明るく振る舞いながら、人間は成熟の過程を歩む。それはとても「正しい事」のように私には思われる。そうして成熟した人間の何と美しい事か。

翻って、私の抱える精神的な圧倒的未成熟は、そうやって真摯に人生と向き合って来なかった、一種のツケだと考える。戯言を弄し、不誠実にへらへらと嗤いながら暮らしてきたツケであろう、と。

気が付けば、間もなく30歳である。このままで良いのだろうか。良かろう筈がない。何か、些細な一撃でも良い、私は手を打たなくてはならない。私は私の人生の総監督なのだ。野球に喩えれば、最早4回表で25点差のついたゲームである。にも関わらず、人生にコールドゲームは、ない。リセットボタンも、残念ながらない。諦める事は既に死をも意味する。

出来る事は何か。投手のスタミナが既に切れているならば、投手交代の一手を打たなくてはならない。今後の失点を防ぐのだ。攻撃の際には、一発逆転などありえないのだから、短く持ってコツコツ当てて、塁上に走者を貯めなくてはならない。そのためにするべき事は何なのか、それを考えねばならない。

私は、まだゲームセットではないのだ。

さて、具体的に考えた現状打破への一手であるが、これまでに幾度となく試み、そして失敗してきた「節酒」を掲げてみたい。

一年が365日あるならば、私は大体370日ほどを酩酊して過ごしている。この生活が約10年近く続いている訳だが、そのダメージが最近脳周辺に出て来た。内臓は、恐らく下品なほどに強いのだろう、今の所ノーダメージでいられている。しかし、脳である。記憶力と状況判断力の低下は右下がりの一途を辿っている。また最近では知人のF島Tけし氏の提唱する「よいこの為のお友だちの失くし方」を私自身が実践してしまっている嫌いがある。

因みに上述のF島氏の言う「失くし方」とは、第一条の「まずたくさんのアルコールを摂取しましょう」から第十二条の「そして極左論や宗教批判、野球の話にエロトークといった、おさけの席でタブーとされている話題を怒鳴り散らすかのごとくわめきちらしましょう」までわかりやすく明快に論述されている。

ダメだダメだ。

これではダメだ。

という事で、29歳の目標。

おさけをひかえてにんげんっぽくなる。

これに決定!

誕生日から20日近くが過ぎているが、今の所実践出来た日は1日たりとも無い。

具体的な目標としては、そうだなあ、一週間に1日乃至2日の禁酒日を設定したい。

早く人間になりたい。

普通の29歳になりたいのです。

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コメント

お酒を飲めるようになりたい人も居れば、控えたい?人も居るのですねぇ…ところで金麦のCM☆冬バ-ジョン*結構流れてますね。☆れいさんは相変わらず可愛いです。冬は大根の煮物美味しいですよね。

投稿: のりまき | 2008年11月28日 (金) 00時10分

誕生日おめでとー。
うちもこの間29歳になったわ。
ちなみに私も最近腹がでてきたのと、朝起きれないので、
休肝日を増やしています・・

投稿: okada | 2008年11月28日 (金) 12時41分

のりまきさんへ
ホント控えたいです。ホンッと!強く思います!難しいんですけど。金麦冬バージョン、最近見ました。やっぱり檀れいさんはぼくの事がホントに好きなんだなあ、と再確認しました。

投稿: ふくしまたけし | 2008年12月 4日 (木) 15時25分

okadaさんへ
おかださんも29歳おめでとう。腹が出てくるプラス朝起きれないってのは、もうだいぶいかんな。でもやっぱり人間関係を壊すほうがもっとよくないと思う。ぼくも腹は出てるし。

投稿: ふくしまたけし | 2008年12月 4日 (木) 15時27分

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