手術、その後
♪暇人おーざぴーぽー、にゃにゃーにゃーにゃにゃー、ゆふーうーうー
と、ジョン・レノンの「イマジン」の替え歌を歌ってしまうほどに暇な私である。しかも、うろ覚えなので、分からない部分は適当にごまかしてしまう。あのねえ、正直言うと、あんまり好きじゃないんだよ、ジョン・レノン。と言うよりも、ジョン・レノンの事をあまり悪く言っちゃいけないみたいな空気が嫌いなのだ。ジョン・レノン、あんまり好きじゃないんですよねえ、と言った時に流れる「こいつ全然わかってねえなあ」という空気。あれがムカつく。音楽の好き嫌いだけで人格を否定される筋合いはないぞ、と思う。
まあ良い。ジョン・レノンの話題はもうやめよう。彼の事を語れるほど、私は彼の事は知らないのだ。あの、何か良く知らないけど、メガネとヒゲのオッサンでしょ?という程度。話題は簡単に底をつく。という事でヤメ。
暇人な私は、いつものようにピアノの練習をする傍ら、休憩の際にはパソコンを使ってインターネットの中から、石田ゆり子氏の画像を眺めたりしていた。石田ゆり子氏の事をご存じない方の為に説明しておくと、私の婚約者である。まだ会った事はないのだけれど。どんな方かと言えば、とても可愛らしい方である。いつも私の事を第一に考え、内助の功として私を助けてくれる、正に女性の鏡である。まだ会った事はないのだけれど。彼女、料理は全般的に得意なのだが、取り分け出汁を取るのが上手い。味噌汁などは絶品である。蛇足ではあるが。
さて、私とゆり子との甘い生活をここに記すのもいささか気恥ずかしいので、この話はここまでにしようか。また聞きたい人があればいくらでもリクエストにはお答えするが、先ほど気付いたが、こんな妄想を書き続けている私は随分と気持ち悪い。どうして誰も教えてくれないんだ!何かの謀略であろうか。
先日の手術の話を少し。
信濃町にある慶應大学病院で、8月1日に手術を受ける。先に記したように、耳の手術だ。
数年前に空いた鼓膜の穴が塞がらないままでいた。よって、慢性的な中耳炎を患っていた。体調が悪くなったり抵抗力が落ちてきたりすると、耳からばい菌ば入り、そこから膿が出た。簡単な治療を施せば、数日でそういった症状は落ち着くのだけれど、完治、ではない。また、体調を崩すと耳の状態は悪くなる。この繰り返しであった。どこかで手術をしなくては完治はありえない。それは私もわかっていた。
完治、という言葉で、「東京ラブストーリー」を思い出した。カンチは確か織田裕二だったろうか。先日、お笑い芸人のケンドーコバヤシが件のドラマの有名な台詞をもじって
「カーンチ、アナルセックスしよ!」
と言っていた。そういうストレートな下ネタは嫌いではないので、紹介しておく。
閑話休題。耳の話である。
生まれて初めての手術体験であった。手術自体は簡単なものと聞いていたので、当日まで気分が多少重くなっていたくらいで、私は比較的楽観的な気持ちでいた。まあ、何とかなるだろ、ぐらいの感じで。当日も、さしたる緊張感を感じずに、病院での受付を済まして手術室へ向かった。
刹那、喉の奥の方から湧き上がる違和感。私は明らかに緊張していた。手術室に入って、手術着に着替えた辺りから。それは、本当に突如としてやってきた。不安なのか恐いのか緊張しているのか、自分でも判断はつかなかった。自らの小心ぶりに内心で苦笑したが、そんな事は手術をする医師や看護士には関係ない。恙無く手術の段取りは進められる。
手術台に上った。中年の看護士に「緊張してる?」と聞かれた。「ええ、初めてなもんですから」と私は答える。そんなやり取りで少し気持ちがほぐれる。それは看護士の意図したものなのだろうか。そうだとするならば、これもまた熟練の技の一つだな、と妙に感心してしまう。
それから暫らく、現実感が希薄になったのを覚えている。頭上のライトがパチっと照り付けられ、私の顔に布が被せられる。
「まな板の上の鯉」
まさしくそんな言葉が脳裏に浮かんだ。最早何処へも逃げられない。覚悟を決めるしかない。大袈裟にも、私はそんな事を考えていた。
麻酔を打つ所から始まった。私の耳の内部、鼓膜周辺と、耳の裏辺り、側頭部と後頭部の間辺りに麻酔が打たれる。これが、信じられないくらいに痛かった。耳の中に注射されるのは勿論初めての経験であったが、とにかく痛い。歯を食いしばって痛みに耐える。早く注射終わってよお、とそんな事を考えながら。
麻酔の注射が終わって暫らくすれば、本格的に手術開始である。耳の後ろを切開し、そこから肉片を取り出す。鼓膜の穴の周りを一度傷付けてから、その肉片をそこに埋め込む事で肉片はいつしか鼓膜の一部となり、穿孔は塞がる、といった内容の手術である。
私は麻酔の凄さを実感した。まずは耳の後ろから肉片を取り出すのだが、そこをメスやら鋏やらで切っているのだろうが、何も痛みを感じない。おお、麻酔ってすげえ!そんな事を考えていたが、嫌なのは、音、である。耳の近くなだけあって、音がダイレクトに聞こえてくるのである。ざくっ、ざくっ、ざくざくざくっ、という具合に。未だにその音は脳裏に残っている。非常に嫌な音である。
その後は上記のような手順で手術は進んだ。時間にして小一時間、という所だろうか。終わった後に気付いたのだが、私は下半身にびっしょりと汗をかいていた。手術室は冷房もかなり効いていたのに、これはまさしく冷や汗なのだろうか、と思った。特に膝まわりはびっしょりと汗で濡れていた。これもまた初めての経験であった。
余談だが、手術室ではうっすらとBGMが流れていた。私が手術を受けている時にはずっとaikoがかかっていた。「桜の時」や「花火」など、いくつか知っている歌もあったが、暫らくはaikoの声も聞きたくない。手術中の恐怖が蘇って来る事は間違いないからだ。BGMはせめてクラシックぐらいにしておいて欲しかったなあ。
さしたる問題も起きずに、手術は終了した。しばらくは術後の経過を見て、という段階である。おそらくはしっかりと治るだろう。それならば良いのだが。
医者と看護士に礼を言って病院を出る。何だか無性に空腹を感じ、御茶ノ水のカレー屋「エチオピア」にてチキンカレーを食す。辛さはこれまでで最高の20倍に挑戦。まだいける。次回は25倍だな。しかし、相変わらずここのカレーは美味い。
小岩に帰って、パチンコをして、少しだけ勝ったのでコンビニでビールを勝って、それを飲みながら家に帰る。さっきまで手術してたなんて嘘みたいだな、と思いながら。
そんなこんなで手術終わりました。
励ましのコメントやメールをくれた方々、ありがとうございます。
落ち込んだりもしたけれど、私は元気です。
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コメント
手術その後・・・ってタイトルにあったので、
えっ!っとびっくりしましたよ。
無事に終えてよかったです。
あまり無理をしないようにね。
投稿: タッタカ | 2008年8月 4日 (月) 06時55分
良かったぁ…本当に良かった。初めての手術は嫌だったでしょうね。暑いですから今度は夏バテに注意してください。ほっとしたら気が抜けました☆蜩が鳴き出しました。
投稿: のりまき | 2008年8月 4日 (月) 16時19分
福島くんにそんな持病があったなんてしらんかった。
無事終わってよかったなあ。
お大事に。
投稿: オカダ | 2008年8月 5日 (火) 00時06分
手術無事終わって良かったですね。
私も安心いたしました^^
暑いし、術後で免疫力も落ちてるかもしれないから、無理せずお大事になさってくださいね。
でも若いから大丈夫かしら?^^
8日のアーリーバードに伺おうと思っていますので、復帰ライブを楽しみにしています!
投稿: 渡 ひろこ | 2008年8月 5日 (火) 21時02分
タッタカさんへ
ありがとうございます。手術なんて初めてでした。出来ればもう二度と経験したくありません。良いもんじゃないですね。でも、無事終わってよかったです。ぼくもほっとしています。
投稿: ふくしまたけし | 2008年8月 7日 (木) 11時45分
のりまきさんへ
ご心配していただきありがとうございます。今年は今のところ夏バテとは無縁です。休みの日にはたまに一日中外で釣りしたりしてますけれど、今のところバテたりはないですねえ。のりまきさんこそ、お身体御自愛くださいね。
投稿: ふくしまたけし | 2008年8月 7日 (木) 11時46分
オカダさんへ
そうなんだよ、持病って言うと少し大袈裟だけど、ずっと悪くはしてたんだよね。今回は完治させる為の手術だから、これで完治すると良いな。ありがとね。
投稿: ふくしまたけし | 2008年8月 7日 (木) 11時48分
渡ひろこさんへ
ありがとうございます。免疫力、って術後に落ちたりするもんなんですね、初めて知りました。でも、今のところそんなに問題ないです。やっぱり若いからでしょうか笑
8日、お待ちしています。ゼヒゼヒいらっしゃって下さい。
投稿: ふくしまたけし | 2008年8月 7日 (木) 11時50分