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2008年6月24日 (火)

ふざけ論

レッスンでの事である。

普段、主題演奏の後に続くアドリブソロ部分を生徒に予め書いてきてもらう(作曲してきてもらう)という事をよくする。つまり厳密に言えば、アドリブ(即興)という事ではないのだが、作曲である。そこには各人の個性が様々に反映されるというのが面白い所なのだが、本日私はとても良い意味で生徒に驚愕させられた。

Nさんという生徒が『Little brown jug(茶色い小瓶)』のために書いてきたソロパートであるが、32小節の内、最初の16小節は何と中日ドラゴンズの落合監督の応援歌であった。Nさん本人はあまりネタが浮かばなかった上での苦肉の策だ、と謙遜していたが、いやいや、何を言うか。素晴らしいアイディアではないか。そういうユーモアは、ジャズという音楽の持つ素晴らしさの一つに違いない。

しかし、盲点であった。

私も自身の音楽にユーモアを取り入れようと日々苦心している。語弊を恐れずに言えば、「いかにしてふざけられるか」という事を比較的真剣に考えているが、野球の応援歌か。それは思い付かなかった。

Nさんはドラゴンズファンであるらしい。私も演奏の最中に何をトチ狂ったか、広島カープの応援歌を挿入しても良いのではないか。

そういった事は極論だとお読みの諸兄に一笑に付されるやも知れぬ。しかし、音楽の表現は、自由でありたい。歴史を学び、技術を研き、そしてそれをどこかで壊すのは決して悪い事ではないだろう。身に付けた技術や知識をそのまま出すのではなく、一度壊す事によって、大袈裟に言えば新しいものを「創る」のだ。

ふざける事は、則ち「壊す」事なのかも知れない。

私も、明日からまた心を引き締めて、より一層ふざけていこう。

今日も生徒に教えられてしまった。

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コメント

学生時代、あらゆるフレーズを試したはずなのに、確かに忘れてましたね(笑)

ソフトリー7小節目に、日本的合いの手入れるとか。

投稿: あー | 2008年6月24日 (火) 23時22分

あーさんへ
そういう遊び的な感覚をどんどん磨いて、生徒にも教えていきたいなあと思いました。
「ふざけてやらないできちんとやりましょう」なんて言うくらいだったら「もっと徹底的にふざけていきましょう」って言いたいです。

投稿: ふくしまたけし | 2008年6月25日 (水) 13時41分

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