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2008年4月24日 (木)

たけしの酒2

どうも、アメリカはアラバマ州の州立イマラチオ大学卒、ピアニストの福島剛です!

という事でまた適当な下ネタからである。「イマラチオ大学」って言葉は、確かMJ(みうらじゅん)先生が言ってたような気がするのだが、どうだったろうか、忘れた。とにかく私の頭の片隅にあった、クズワードの一つだ。

ジャズの世界での所謂「エリートコース」の一つに、「米バークリー大卒」というものがある。勿論私は違う。いささかの学歴コンプレックスを解消するべく、今後バークリー卒の人と話す時には、「ああ、私もアラバマの‘イマ大’を出ていましてね。え?ご存じない?イマラチオ大学ですよ。学科ですか?学科はクンニリングス学科という所を。ええ、首席で出ました。まあ、何の自慢にもなりませんがね、ハハハハハ」と英国紳士のようにジェントルかつエレガントに会話を繰り広げて行きたいものである。眉をひそめていただける事請け合いであり、その後の気まずい人間関係の構築に一役も二役も買ってくれる。

うむ。

黙らなくてはならぬな。

沈黙。

完全に沈黙。

後、

暴走・・・

はい!「わんこ」の「わ」の字を「ま」に変えてー!!

アソレ!連合赤軍!連合赤軍!ジステンパー!ジステンパー!

おっといけない。本当はもっと暴走して書いてしまったのだが、身の危険を感じて削除した。

今日は、前回書いた「酒の美味くなる状況」の続きを書こうと思っていたのだ。さて、本題に入ろう。

前回は第3位を紹介した。「失意の酒」である。今回は第2位から。

第2位は「背徳の酒」である。

失意が単なる「酒」を「優しい酒」へと変貌させたように、背徳というものは単なる「酒」を「耽美な酒」へと変貌させる。私がそれを度々目にするのは、電車の車内である。

電車の中で携帯電話を用いて通話をしてはならない、これは最早万人の共通認識としてのモラルになりつつある、と私は思っている。私も電車内で自らの携帯電話に電話がかかってくれば、声を潜めつつ「(生まれてきて)すみません、電車内なのでまたかけ直します」と言って即座に切るか、或いはそもそも電話を取らない。良識ある大人の、極めて一般的なマナーである。これらは、先ほども述べたように、最早共通認識、というレベルにまで到達している、と私は考えている。

では、酒、はどうだろうか。電車内で酒を呑んではならない、その認識は未だ共通認識ならざる処で蠢いており、またこの先もそういった一般的な倫理観には入らないのではないだろうか。無論、電車内で酒を呑んで暴れ、他人に迷惑をかけてしまうという案件にかんしては、この際考慮の外である。酩酊しない、というレベルにおいて言えば、電車内で酒を呑む事は、電車内でペットボトルのお茶を飲むのと等しい行為なのではないだろうか。

そもそも考えてみて欲しい。電車内でペットボトルでお茶を呑むOL。この光景自体は、何ら違和感のない光景であるが、そもそもそのOL美香子(仮名)がペットボトルから呑んでいる液体がお茶であるという保証はどこにもない。或いはそれはアルコールの含まれた液体である可能性も大いにある、という事を我々は認識せねばならない。よくわからないが、不確定性原理だのシュレディンガーの猫だのというのはそういう事だと思う。

美香子は、最近の仕事に疑問を覚え始めていた。何かをこなすというよりは、怒られないようにする事ばかりを念頭に置いた自らの仕事との向き合い方に、葛藤すら覚えていた。あたしはこんな事をする為に社会に出たんだろうか。様々な後悔や自戒の念が頭をよぎる。けれど、優しく微笑んで、全てを諦めて、そして受け入れよう、美香子はそう思っていた。恋人の健二との仲も、ここの処しっくりと来ていない。会話が続かない。体を寄せ合わせても、何かそれは義務的な行為のように感じられた。全てにおいて、空疎な感情が美香子を覆っていた。

仕事帰りの道すがら、会社から新橋の駅へ向かう途中のコンビニで美香子は焼酎を購入した。今すぐそれを呷りたかった。人目も憚らずに、その液体を体の中へ、と。しかし、それは出来ない。そういう行為を人に見られる事に付随する面倒を、美香子は熟知していたからだ。暫らく思案して、美香子はペットボトルの烏龍茶を購入した。どこからどう見ても烏龍茶だ。間違いは無いし、つけいる隙も無い。美香子は購入した烏龍茶の中身を半分ほど、トイレに捨てた。そして、その空いた空間に焼酎を注ぎ、軽く手の中で振った。

美香子は、その簡易焼酎烏龍茶割りを、店を出てから大っぴらに呷った。誰も美香子が飲酒している事には気づかない。美香子は、何か湧き上がるような愉快な感情を覚えていた。人を欺く快感?いや、そういったものとは少し違う。これは背徳の喜びなのだ。酒は、少しずつ体に染み透っていく。美香子は、くっくっくと含み笑いを洩らした。

といった事案が象徴するように、この背徳感は、酒を十二分に美味くする。おわかりいただけるであろうか。私も、時折電車内でのビールという背徳行為には及ぶが、この背徳感たるや満更ではない。安いビールが、より一層美味くなるのである。

さて、ここまで「失意の酒」と「背徳の酒」を紹介してきたが、最後に第1位を紹介したい。

第1位は、「百万石の酒」である。

(「百万石の酒」の言葉を見てうんざりした方、私を赦すように)

これは嘗ての私の経験による。

嘗て私が小田原にて温泉に浸かっていた時の事である。

正確な氏名は忘れたが、傍らには四人の男がいた。直江何某(なにがし)、奥村何某、伊達何某、真田何某、というのが彼らの名前であったと記憶している。私たちは小田原の雄であった北条何某という勢力と戦うために、彼の地へ赴き、そして戦に勝利した直後であった。戦自体は稀に見る勝ち戦であった為に、私の心は何一つ躍らなかった。私は負け戦こそを好む性質であるのだ。

湯の中で我々が酒を酌み交わしながら「天下」について話をしていた処、そこへ豊臣何某という初老の男性がやって来た。彼は、私たちに「天下の獲り方を教える」、と言いながら、ゆっくりと湯の中に入ってきたのだ。

彼は言った。「天下人は、天が決める」と。

そして、彼は私の傍らに腰を落ち着け、「此度の戦、陰働きはお主であろう、ご苦労であった」と私を労った。

私は「あんたのためにやった事ではありませんよ」と軽くあしらった。実際その通りであったからだ。

彼は、私に仕官の話を提案した。「これでわしのところに来んか」と、彼は右手の人差し指を一本、掲げた。

私は何も言わなかった。すると、彼はさらに続けた。

「百万石では不足なのか?」と。

百万石というのは、現在の貨幣価値に直せば、約二千五百億円もの大金である。一瞬、周囲が狼狽するのが私にもわかった。

私は落ち着き払って言った。「人は日に米は三合、畳は一畳あれば十分。」と。

そして続けた。「そんな事より、一献くれまいか。」

彼もまた一箇の傾奇者である。私のその言葉を受けて、彼は高笑いしながらこう言った。

「強情なやつめ」と。そして彼は私の盃に酒を注ぎながらこう言った。

「心して呑め、百万石の酒ぞ」と。

以上、参考文献は『花の慶次』であった。こういった事から導き出される結論としては、この私が経験した「百万石の酒」が何故美味かったのか、という秘密であるが、そこには自尊心というキーワードが隠されている。私は私とて、傾奇者としての誇りを貫き通した。その自尊が酒をより一層美味くさせたのである。

以上、二回に渡って書いてきた酒の美味い呑み方であるが、まとめとして。

美味くなるスパイスは、「失意」であり、「背徳」であり、「自尊」である。これらを美味く利用して、皆で愉しい飲酒ライフを満喫しようではないか。

最後に一つ断りを入れておくが、当ブログに記載されている内容の9割は嘘であるから、あまり真剣に読まぬように、今一度注意を促しておく。

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コメント

お酒なんてなければいいのに!
というのが、ほんとうにお酒に呑まれている人の言い分だとつくづく感じます。

投稿: はんたま | 2008年4月25日 (金) 02時26分

歴史唱歌「インカ帝国の成立」で正々堂々叫べますよ。あーすっきり http://www.nicovideo.jp/watch/sm582932

投稿: | 2008年4月29日 (火) 22時58分

はんたまちゃんへ
まあ、そう言うな。酒に強くなれば良いんだよ。それか、早く日本でマリファナが解禁になれば良いんだよ。ああ、解禁になんねえかなあ。そhしたらお酒もきっとやめられるのに。

投稿: ふくしまたけし | 2008年5月 1日 (木) 01時47分

知らない人へ
名乗りましょうよ、原則として。別にぼくに対する誹謗中傷とかじゃねえんだから。
あ、動画見ました。ツボイノリオ、相変わらずバリバリですねえ。マンコ・カパック、でしたっけ。マンコ、マンコの大熱唱、良いですね。

投稿: ふくしまたけし | 2008年5月 1日 (木) 01時48分

すみません知らない人3連は私です。大変不快な思いをさせてしまい失礼いたしました。反省します。美香子(仮名)さんにはついでに小首をかしげたり、顎でしゃくって「ほら」とか言ってほしいです。深い仲になったら「いいの...おねがい...もう..」も聞かせてほしいです。ええすべて妄想です。

投稿: 八郎太 | 2008年5月25日 (日) 22時32分

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