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2007年7月21日 (土)

愛憎入り交じりつつ

故郷に対して、愛し過ぎるがゆえに悪態を吐きたくなる時がある。

救えない街だ。

終わっている。

ゴミだめもいい所だ。

何故だろう、私にはまるで悪気はない。小岩という街に対して、悪態を吐く時、私はひどく穏やかな気持ちになる。

先日の事だ。行きつけの立ち飲み屋で私は酒を飲んでいた。

初老の男性が横に立った。今日は博打に負けた、と言う。パチンコですか?と私が問えば、彼は競輪だ、と答える。3番が落車しやがった。彼が言う言葉に私は適当に相槌を打つ。

彼は、カウンターの下で右手の小指を立てた。

今日競輪勝ったら、コレ買いにいこうと思ってたんだよ。

残念そうな彼の顔から、彼が本当に買春を楽しみにしていた事がわかる。

残念でしたねえ。大丈夫ですよ。女の子はいなくなりませんよ。ちゃんと待っててくれますって。

私も話を合わせる。

オレはさあ、酒よりもタバコよりも女が好きなんだよ。金があれば毎日出したいよね。

彼は卑猥な腰つきを見せてくれる。

半袖の脇から派手な刺青が見える。

腐った街だ。

救いようがない。

でも、私は小岩が好きだ。

なかなか離れられない。

一杯210円の生レモン酎ハイを煽った。

良い、酒であった。

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