電車ジム
電車に乗りながら思い出した事を。
きっかけはスポーツ飲料の吊り広告。「電車の中は、ダイエットチャンスです。」というキャッチコピーと共に、電車内で出来るさりげないフィットネス法が図解されていた。
1.つり革を左手でつかむ
2.上体を右側に倒す
3.(上体を)元に戻す
4.つま先で立つ
5.(つま先を)元に戻す
6.つま先で立つ
7.(つま先を)元に戻す
との事だ。
無論、さりげなく、人目をはばかりながら電車内で私も実行に移した。何せメタボリック一直線な私である。しかもなるべくならば、楽をして痩せたい。それは当然である。
さて。私が柔道を志していた十代半ば、電車はトレーニングの場であった事を思い出した。以下のようなトレーニングである。
足を肩幅に開いて自然体で立つ。少し膝を内側に入れて、屈伸の余裕を持たせておく。つり革や手すりは、持たない。こうした格好で、電車の揺れに耐える、といったトレーニングだ。揺れに耐えるというよりは、膝をショック吸収装置のように使いながら、揺れを全て吸い取る、というイメージなのだが、実際の所、これは極めて効果的なトレーニングであった。柔道というスポーツの根本的な部分として、「転ばなければ負けない」のである。つまり対戦相手から与えられる力学的エネルギーを、どこかに逃がしてしまえば良いのだ。この電車内でのトレーニングを続ける事により、膝を使った力の逃がし方を体得出来る。身体的バランス感覚は飛躍的に向上するのだ。
今日、久しぶりにそのトレーニングを実行してみた。膝に余裕を持たせて、つり革を手から離して立ってみる。電車が走り出す。慣性の法則に従って私の体に力学的エネルギーが働く。「膝を上手く使え」、そう意識した瞬間、体はぐらりと揺れ、隣りに立っていたカップルの男性の方に軽く激突した。「すいません…」と呟く私。いや、電車内でいちゃついていた君たちに怒りを感じていた訳ではないのだ。単に私の体の衰えは想像以上であって。
脳内で私はしどろもどろになる。いやしかし、出来なくなっている。
そのトレーニングは諦めた。
今日の池袋へ向かう電車の中、山手線内で、私の前に座っていた見るからにスポーツウーマンのごとき雰囲気を身に纏った女性がとても綺麗だったので、私はチラチラと彼女を見て楽しんだ。
ギリギリ、犯罪ではない。
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コメント
!!!
それ、うちも高校生の時毎日やってたで!!
誰にも言ったことなかったのに、同じこと
考えてた人がいるなんて、感激や!
投稿: okada | 2007年6月 3日 (日) 19時11分
okadaさんへ
うん、結構みんな考えてる事なんて一緒なんだよね。でも、オカダさんも今度このトレーニング、もっかいやってみ、久しぶりに。出来なくなってるぜええ。やっぱり少し運動再開しようかな、ってマジに思ったもん。
投稿: ふくしまたけし | 2007年6月 4日 (月) 23時36分