痛み
「痛がる人」が苦手である。少々の傷で大袈裟に被害者面をする人の事だ。
多少の傷は皆抱えている。痛みと共に誰もが生活している。自らを尊大な被害者として振る舞う人間は、醜いとまでは思わないが、格好が悪いと私は思っている。
昨日、交通事故に遭った。
救急車に載せられて搬送されながら、「ちょっと大層すぎやしねえか?」と我ながら感じた。頭を打った訳でもなければ腕や手に損傷もなかった。車にしたたか打ちつけられた左足が痛い以外は、何一つ問題はない。救急車の中で聞こえる「意識レベルは鮮明、血圧は上が115、下が90!」などという声が、とても他人事のように聞こえた。私は不謹慎にも救急車の介助女性に対して「お綺麗ですね」などとセクハラ発言をしながら楽しんでいたぐらいだ。
病院に着いてからもそれは同様だった。車椅子に乗せられた自分に違和感を感じた。いやいや、そんな大袈裟な、私は大丈夫なのに。そう感じていた。
先に書いたように、私は「痛がる人」であるまいと常に自覚をしている為、松葉杖を突きながら病院を出てからこう思った。「私はこうやって松葉杖を突いている姿を他人の前に晒す事で、人からただ心配されたがっているだけなんじゃないだろうか。私は今、痛がる人に堕していやしまいか」と。
気になった私は、一旦松葉杖を外して普通の歩行を試みた。その瞬間である。
鋭い激痛が私の左膝を襲う。痛みに顔が歪む。これはどういった具合なのか、自分でも皆目見当が付かなくなる。
その時に理解した。
今回の私の怪我は、「痛がっている」訳ではなく、確実に「痛い」。
しっかりと治していく所存である。
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コメント
交通事故!?骨折くらいですんで良かったよ。交通事故ってその時は大丈夫と思っていても後で後遺症が来たりするらしいから、油断は禁物。ちゃんと養生してしっかり治して下さい。ついでに肺、肝臓、膵臓も浄化しましょう。
投稿: くろ | 2007年3月25日 (日) 03時26分
くろさんへ
はい、最近は滅多な事がない限りは行かない事にしている病院に、ちょこちょこ通っています。相変わらず病院は嫌いです。勿論、好きな人なんていないんでしょうけど。ぼくは特に嫌いなんです。
投稿: ふくしまたけし | 2007年4月 2日 (月) 19時48分