持て余す
深夜四時、祇園からの帰り道。霧雨が鴨川にうっすらと靄をかけているのが視界に入る。冬真っ盛りの筈の二月だと言うのに、辺りはやけに生暖かい。
私は原付を鴨川の傍らに止めて、川原に立ち尽くした。
水が、流れてゆく。
自分でも持て余す感情が私の中で湧いていて、奇妙に居心地が悪い。
祇園に行く前に、出町柳のジャズ喫茶「ラッシュライフ」に寄った。四本弦のギターを弾く、おかしなギタリストのレコードを聴いていた。ブルースなのかジャズなのか判然としない、けれど間違いなく私の「好み」のタイプのギタリスト。名前は忘れた。
そのギタリストのレコードが終わって店を出た。
祇園に行く前に、ほんの刹那、人に会った。一分か二分かの話。
たったそれだけの話。
水の流れる音を聞きながら、そんな事を思い出していた。
鴨川で暫く呆けてから、私は家へ向かった。
私は今、自らの感情を持て余している。
| 固定リンク
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 小岩「Back in time」10周年ウイーク突入(2020.03.19)
- 4月17日(水)セッション昼と夜で二つ(2019.04.16)
- 今度の月曜日はサックスの登さんと(2019.03.15)
- 連絡とりづらくなっております、のお知らせ(2019.03.03)
- 一人ゲネプロ大会(2019.02.26)
コメント