深夜の慰め
珍しく午前1時前に寝付いたにも関わらず、三時間後の午前4時にはしっかりと目を覚ます。相も変わらず眠りが浅い。お陰で可笑しな夢ばかり見る。
花鳥風月。バナナ。カレー。
何から何まで脈絡は無いのが夢の世界の良い所だ。
嘗てよく深夜ラジオを聞いた。深夜ラジオは殆どの番組が深夜1時過ぎからスタートする。オールナイトニッポン、深夜のバカ力、爆笑問題カウボーイ。私は徹底してAM放送を愛していたため、私の言う深夜ラジオとは当然上記のような番組を指す。洋楽やジャズが流れるFMには、興味はない。
深夜ラジオを聞いていると、不思議と安心した気持ちになっていたのを思い出す。DJがリスナーからのふざけ倒したハガキを読む。ふざけ倒したハガキを書く事に情熱を費やすハガキ職人なる連中がいるのだ。素晴らしい世界だ。私はそのハガキに記されたネタをラジオから聞いて、布団の中で腹を抱えて笑う。そしてラジオのこちら側にいる、私以外の誰かも、いささか離れた所でそのネタを聞いてきっと笑っている。布団の中で腹を抱えながら。
その事を思うと、私の心は奇妙に慰められる。時が止まったかのごとき深夜の静寂の中で、取るに足らないバカ話をラジオから聞いて笑っているのは私独りでは、ない。無為な時間の中で焦燥し、苛立っているのは私独りではないのだ。
孤独にラジオを聞く事は、図らずも孤独を癒やす。ラジオ番組は下らなければ下らないほど良い。伊集院光、爆笑問題、ナインティナイン、松村邦洋、私の10代は彼らに癒された。
お陰で童貞をこじらせた。
今、我が家にはラジオがない。
進化した私の携帯電話はラジオが聞けるが、それはFMしか聞けない。
何かが私の生活からは失われていく。
最早私はラジオを必要としていないのだろうか。
そうだとするならば、随分と寂しい話である。
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