冬の夜と自転車と煙草
と部屋とYシャツと…もういいか。
冬の夜に自転車に乗りながら喫む煙草は、普段より少しだけ旨いような気がする。
何となく塞ぎ込んでいた気分がほんの少し、マシになってきた。
元来のお気楽な性分のせいか、あまり悩みや葛藤は抱えない性質だ。頭が悪いのか、感受性が鈍いのかは知らない。どちらかだろう。
たまにうじうじと悩むのは音楽の事か酒の事だ。大体しょうもない悩みだ。
酒の悩みの解決策はまだいまいちわからない。飲まなきゃ良いだけなんだが、なかなか上手いこといかない。知らぬ。
音楽の悩みの解決策は知っている。音楽で解決するのだ。ピアノを弾くのが怖い時は、怖くなくなるまでピアノを弾いたら良い。ジャズを聞くのが鬱陶しい時は、四六時中ジャズを聞いたら良い。この荒療治で根本的にピアノやジャズが嫌いになるのならば、私の愛情はそこまでのものだった、という事だ。幸か不幸かこれまでにこの荒療治が利かなかった事は、ない。百発百中でしょうもない悩みなどは消し飛ぶ。今ももう既に三割から五割近くは消えている。
今日はライブの前にレコード屋に寄ってレコードを一枚買った。栄光のアールハインズ。日本盤なので日本語のライナーノーツがついていたが、バンド名は「アールハインズと彼のボーイズ」。
Earl Hines and his boys
を無理やり日本語に訳したんだろうが、凄まじい翻訳だ。
Earl Hines
James P JohnsonやFats Waller、Art Tatumの先駆けとなったピアニストだ。ルイとの共演はあまりにも有名だ。私は彼の右手の節回しが好きで、結構よく聞く。今日は彼のレコードを聴きながら風呂に入って、焼酎を一杯だけ飲み、一日を終える。
他の人がどうなのかは知らぬが、私にとって生きる、という事は、こういった些細な事の繰り返しのような気がする。
1964年、Earl Hines晩年の録音だ。視覚を失いかけ、長年続けたビッグバンドを解散した彼の演奏を、たっぷりと堪能する。
また明日もピアノを弾くために。
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