春夏秋冬
祇園のジャズバー「ピックアップ」での深夜の演奏を終えて帰宅。明日(もう今日か)は同所で念願の市川芳枝さんとの共演が叶う。愉しみで仕方が無い。
今日、お店の女主人ケイコさんから明日の事で、「Aさん」という女性から明日のライブの予約の電話が入った、と聞いた。私の胸が騒いだ。
私はケイコさんに「それは大阪弁のオバチャンでしたか?」と聞いた。ケイコさんは「自分が直接電話を受けた訳ではないのでわからないが、女性の方だったと聞いている」と答えた。
それはきっと枚方に住む女性の方に違いない。その方は、数年前の夏に、バイク事故で他界した私の大切な友人の母上だ。
私はあろう事か、彼女のお通夜で酔っ払って参列者と喧嘩をした。皆感傷的になるし感情的になる。私一人が幼かった。消したいけれど消せない過去の過ちの一つだ。
彼女の母上は、その私の愚行を、赦してくれた。以来夏の法事の毎に私に連絡をくれる。私に参列を赦してくれる。感謝してもしきれない。
去年末に明日のライブの告知を数人にした。Aさんにも、メールを送らせて頂いた。Aさんからは、「行きたいがまだ予定が何ともわからない」という要旨の返事が届いた。私は「無理しないで下さい」と返信した。
おそらくAさんは、母上だ。
何という幸福であろうか。
あと十数時間でそのステージは幕を開ける。調子の良い悪いなどでは、ない。私が今持つものの全てを余す所無くそこにぶつけなくてはならない。
夏に死んだ彼女に向けて。そして、一年前に私が病院で日々回復を願っていた彼に向けて。
不思議なぐらいに心が落ち着いている。
音楽をやっていて良かったと、心から感じている。
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コメント
今日は行けなくてとっても残念ですが、福島君なら渾身の力でライブを成功させることでしょう。今日のライブに、そのお友達も母上と一緒に駆けつけ、師匠も福島君と一緒に協演するんだろうな!素敵な人達に囲まれて福島君は幸せ者だよ!
投稿: くろ | 2007年1月27日 (土) 19時29分
この日のライブはねえ…
本当に良かったですよ、手前味噌な言い方になりますが。
綺麗事に聞こえてしまうと嫌なんですが、実際に演奏って、周りにいる共演者や客席にいる人たちに助けられて、こう何ていうか、引き上げられる感じなんですよね。いやあ、この日は愉しかった…(←うっとり感を表す3点リーダ)。
投稿: ふくしまたけし | 2007年2月 1日 (木) 13時32分