« 趣味は音楽鑑賞 | トップページ | おかえり »

2006年11月15日 (水)

音楽用語(俗語編)

ロイクな音楽はやっぱりネーカが悪いよな。今の流行りはテンラー辺り?コイタにゴイスーなの連れて来なきゃなんねえけど。でも、これならツェーマンぐらい稼げるんじゃねえか?

何の事やらわからない呪文のような文章を冒頭に書いた事を、先ず詫びよう。

音楽用語、というものがある。ミュージシャン達が、自分達の意思疎通を円滑にするために生み出した用語だ。殆どはイタリア語に由来していると言う。クラシック音楽用語から派生したものが殆どであり、それなりに正式なものである。

いくつか例を出す。

・クレッシェンド―――段々音を強く(大きく)していくこと。

(使用例)

そこのBメロからは段々クレッシェンドしていく雰囲気にしたいなあ。

・リタルダンド―――徐々にテンポがゆっくりになっていくこと。

(使用例)

エンディングはリットしていく(リタルダンドすること)感じにしよっか。

などなど、である。

こうした音楽用語は、私も音楽に日々携わっていく中で自然と覚えた用語であるが、それとは別に、音楽用語の俗語編、つまり「裏」音楽用語なるものがある。冒頭に示した意味不明の文章も、そういった用語を用いた文章である。今日は簡単にそれを紹介しよう。

《基本編》

裏返しにする、これだけである。

・ジャズ→ズージャ

・金→ネーカ

・食事(メシ)→シーメ

御理解頂けただろうか。

《応用編》

数字をアルファベットで言う事がある。そしてそれをドイツ語読みする。

1はC、つまり「ツェー」と読む。5はG、つまり「ゲー」だ。

今日のラーギャいくら?ああ、ゲーセン。

といった場合には、「今日のギャラはいくらだったのか?ああ、5000円だよ」ということだ。ちなみにツェーマンは、1万円。更に応用として、40万円、という場合には「エフジュウ」という、最早言語の規則性など無視した使用法をする。少々難しくなってきたが、わかって頂けているだろうか。

《番外編》

楽器の呼び方も特殊だ。様々な楽器を妙ちくりんな呼び方で呼ぶ。使用例は以下

・ピアノ→ヤノピ、時折「鍵盤」という言い方も。

・ベース→スーベ、或いはウッベなど。

・ドラム→タイコ

・トランペット→ラッパ

・サックス→ラッパ、なぜかこれもラッパ、である。

《更に上級編》

基本編の「引っくり返す」と番外編の楽器名を組み合わせて、

ドラム→コイタ(タイコ、の逆ね)

などといった複雑な使い方もある。

では、冒頭の文章の翻訳。

黒い(黒人の)音楽は、(受けが悪いので)あまり稼ぎにならない。今の流行はラテン音楽辺りじゃないだろうか。ただ、その場合ドラムに凄腕な人材を連れてこなければならないが。そういう風にやったら一日1万円ぐらいは稼げるんじゃないか?

といった具合である。ちなみに文章の内容は私の意見ではない。無理やり「ズージャ用語」を羅列したら、そうなってしまっただけだ。

さて、ここからが本題である。

正直な所、私はこの「ズージャ用語」が好きではないのだ。

えー、ちゃんと言おうよ。きちんと日本語喋ろうよ。そう思っていた。いや、今も思っている。

にも関わらず、最近ふとした瞬間に、無意識にこの「ズージャ用語」を使ってしまっている時があるのだ。

―――お前、どんな音楽好きやねん。

―――そうですね、どっちかっていうとロイクーなやつが・・・

ええっ?と自分の口を疑う。今何つった、俺?と狼狽する。そしてその瞬間、自意識過剰なだけかも知れないが、何だかとても気恥ずかしくなる。

一生懸命ミュージシャンの仲間入りをしようとして自分は背伸びをしている。

勿論私にはそういった部分はあるが、それが言葉の面で見えてしまうとたまらなく恥ずかしくなるのだ。ああ、嫌だね、自意識過剰。このブログを読んで下さっている音楽関係の方で、私と同じように感じる方はいるのだろうか。

もう一つ、私は前後不覚になるまで酔っ払うと、何故か意味のわからぬ英語を喋りだすらしいのだ。最近、人から聞いた。私が英語を喋りだすと危険なサイン、として捉えてくれている友人もいる、との事。

何だ、それは?外人コンプレックスなんだろうか。私も全く記憶にない事なので、なんとも言い難いが、そうなのかも知れない。

またある友人は、私が親鸞(浄土真宗の開祖)とキリストの話を始めると、それが酔っ払ってきた(泥酔してきた)合図だ、とも言った。これは自分が無宗教であることに対するコンプレックスの表れなんだろうか。

つまり、「ズージャ用語」を無意識に使ってしまう私は、間違いなく何かしらのコンプレックスを抱えている訳だ。嫌だね、この劣等感の塊。そんなもんありませんよ、といくらシラを切ってみた所で、私は劣等感の塊なんだろうな。

言葉というのは面白い。ある意味では話し手の内面がダイレクトに出てくる。要はそれがストレートなのか屈折しているのか、というだけで。

とにかく私は、随分と恥ずかしい。恥の多い人生を送っている、真っ最中であります。

|

« 趣味は音楽鑑賞 | トップページ | おかえり »

音楽」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




« 趣味は音楽鑑賞 | トップページ | おかえり »