味覚の地域差と野菜の気合い
生まれは葛飾区、育ちは江戸川区、どちらも東京である。下町だ。
江戸っ子は宵越しの銭は持たない、というが、それは私の貧乏とはあまり関係はない。確かにあればあるだけ使ってしまうが、それは気っ風が良いからではなく、単に計画性がないだけだ。私が冒頭で東京育ちだと宣言した理由は、「味覚」の話をする為だ。
インドやタイに行った時に、現地人達が食事中に、沢庵を食べるかのような感覚で青唐辛子をむしゃむしゃと食べるのを見て「バカじゃねえのか、コイツラ」と思う反面、「ああ、やはり育ちによって味覚の感覚って変わるんだな」とも感じた。インド人達があまりに美味そうに青唐辛子を食べるので、試しに一つ食べてみた所、半日間はずっと口の中が痛かった。再び「アイツラはバカだ」と思った。少なくとも味覚に関しては。
そうなのだ、育った土地によって、味覚は変わる。個人的な嗜好を誤差の範囲だとすると、大まかな地域的傾向というのは確かに存在する。地域ごとの食に対するイメージは、得てして偏見ではないのだ。
インド人はカレーばかり食べている。(←本当。正確には、全てがカレー味)
タイ料理は辛い。(←半端ではない。パじゃねえよっ、て言ってしまう)
ドイツ人は芋とソーセージとビールが好き。(←ドイツに行った事はないが、多分本当。だからデブが多い)
他にも色々あるだろう。フランス人のカフェオレとクロワッサン、みたいな「シャラくさいコンボ」。アイルランドのフィッシュアンドチップスとギネスビール(←大好きです)。アメリカ人はいつもガムを噛みながらコーラを飲んでいる(←差別)。などなど。
ともあれ、確実に地域差は存在する。それは国を跨がずとも、日本国内ですらあるのだ。
本日の話の主眼はココ。関西人と関東人の味覚の違い、だ。やっと本題か。前置きが長いな。
私は京都で暮らし始めてもう10年近くになるが、味覚は育ちの関東人のままである。かなり典型的な関東人の味覚だ。ソース味より断然醤油味が好きだ。納豆が好きだ。うどんより蕎麦が好きだ。お好み焼きを食べながらの米飯はちょっと遠慮したい。そして何より、
葱は白葱だ!
そう、関西では嫌いな人も多い白葱、私はあの葱が大好きなのだ。
少し火で炙って醤油を垂らして。最高の酒の肴だ。味噌汁やラーメンに入れてもいい。あの鼻をつく独特の香り、たまらない。
その、大の白葱党である私が、先日、生まれて初めて自分の金で青葱を買った。原因はスーパーで特売がなされており、白葱と青葱とでは値段が倍ぐらい違った為だ。不本意だ、しかし貧乏の前では、信念も時には曲がる。仕方あるまい。そんな事を考えながら青葱を購入して家に帰り、うどんに刻んで入れてみる。刻んだ青葱の入ったうどん、今思い返せば、典型的な関西メシだな。
食べてみると、これが意外と美味い。
白葱ほどの強烈な香りはないが、程良い歯触りと香り。値段を考えれば悪くない。そう思っていた。
ところが、である。
青葱、気合いが全く足りていない。
買って2日で何本かが腐り始めた。シャキシャキの葉先が萎びていき、黒く変色している。何だコレは、貴様はモヤシか!
味、値段以上に、気合いの面で、青葱は気に入らない。二度と買うまい、と気持ちを新たにした。
うむ、やはり葱と言えば白葱だ。
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