勝負への冒涜?
数回前に書いた、柔道ワールドカップの事を再び。
あれだけ、楽しみだ、と言いながら書いておきながら、実は私は男子も女子もどちらも見ていない。いい加減なものだ。試合の放映直前まで組んでいた、ライブのリハーサルの予定が押してしまった為なのだが、正直言って見なくて良かったかな、とも思っている。
それは、日本が負けたからではない。
後から聞いた話だが、放送の仕方があまりに酷かったようなのだ。
優勝したのは、グルジア。準優勝はロシア。
これまで、柔道においては後進国のイメージすらあった両国。運も味方しただろうし、ルールや判定も味方したかも知れない。そんな事は些細なことだ。この両国による決勝戦というのは、遅れてきた大国による決勝戦という意味で、十分に見る価値はある、と私は思う。
にも関わらず、である。
何とフジテレビはこの両国による決勝戦を、きちんと放送しなかったようなのだ。
この情報に関しては、私はあまり信憑性の高い所から聞いた訳ではないので、実際に放送を見ていた人に再度真偽を問いたい。放送を見ていた人は、よろしければ教えて頂きたい。
しかし、これが事実だとするならば、それは決して許される事ではない。日本が決勝戦に進出しようがしまいが、決勝戦というのはその大会の唯一の勝者を決める、最も大事な試合であるのだ。日本が進出しなかったから、などという瑣末な理由で、それを放送しないなどというのは、言語道断である。
バレーボールの国際試合の放送なども、酷い、とつくづく思う。日本チームが得点を入れた時だけは、白痴のように騒ぎ立て、相手チームの華麗なプレーには、お通夜のようにダンマリ、である。挙句の果てには、試合開始前にはジャニーズだか何だか知らぬが、得体の知れないジャリタレがコートの上でみっともない歌とダンスを披露する。何だ、これは、と狼狽してしまう。まるで、八百長で勝った試合の後にリング上で下手糞な歌を披露する、訳の分からぬ醜悪なボクサーと変わらないではないか。
柔道という武道は(或いは言いたくはないが、スポーツは)、日本が世界に誇る財産である。もし、在日グルジア人が今回のワールドカップの放送を見ていたならば、どれほどの不快感を感じたのだろうか。そして、どれほど日本という国に不信感を持ち、また柔道という文化に対して失望するだろうか。
フジテレビよ。もし本当に決勝戦をきちんと放送していないのであれば、君たちは柔道という文化を冒涜した事にもなる。それは、彼らが血道を上げている「勝負」というものに対する、最大限の侮辱だ。
私は、決勝戦未放送、という噂が、偽のものだと信じたいが、どうなのであろうか。
少なくとも、私は「勝負」が見たかった。
それが見れなかったのならば、放送を見逃した事に一縷の後悔もない。
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コメント
噂は本当ですよ。
というか、完全に確認はしていないです。
なぜなら、男子の3位決定戦が終わったとき、時計はすでに20:40を回っていたのですから。
僕はチャンネルをCSに変えて、優勝がほぼ消えた阪神戦を見てしまいました。
だって、その後に来るのは決勝戦の(せいぜい)ダイジェスト、もしくは結果報告、ひどい場合には日本人のリプレイでしょうから。
やはり時代はテレ東(卓球世界選手権、日本敗北後も全試合生中継)じゃないですか。
投稿: torii | 2006年9月21日 (木) 14時59分
フジテレビって、最近、益々酷いテレビ局になってきたよね。昔から浮いた感じはしたけど、最近は、放送の質が本当に悪いっていうか、時には、憤りさえ感じるくらいの内容だよ。
今年もフジは、24時間テレビに対抗して、スマップの中居を司会に、26時間テレビをしていたけど、ちょっと見ただけで嫌になった。
何がフジを改悪方向へ向かわせているのだろう?
投稿: モトクロス | 2006年9月21日 (木) 18時20分
とりいさんへ
テレ東は、良い意味でも悪い意味でもポリシーを持ってやってますよね。昔、湾岸戦争が勃発したその日に、各テレビ局が慌てて特番を組む中、テレ東は悠然とアニメを放送していましたからね。
スポーツ中継に関しては、確かに一番信頼出来るのかも知れません。
クロサワさんへ
フジの特徴というのは、上に書いたテレ東とは真逆の、「ポリシーを持たない事」だと思います。視聴率を取るため、金儲けをするためにはポリシーなど不要、と言わんばかりの。極度のエンターテイメント性は、必ずしも悪いとは思いませんが、確かにここの所品はありませんね。
投稿: 福島剛 | 2006年9月26日 (火) 23時33分