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2006年7月11日 (火)

どこか行きたい病

ここの所、折に触れて「インド行きたいなあ」と独白し、また多言もしているが、冷静に自らを省みて、明らかに今私は「どこか行きたい病」にかかっている。これにかかると、少なくとも1ヶ月は治らない。京都での生活はそれなりに充実している。貧乏だけれど、私にはここでするべき事がいくつかあるのだ。だのになぜ。

ブログを自慰的に使う事を、なるべく自らに戒めているのであるが、本日は露悪趣味に自慰をしよう。

どこに行きたいかと問われればまずは何はなくともインドのバラナシ。毎朝毎朝ガンジス川で泳ぎたい。泳ぎ疲れたら川岸で暖かいチャイを飲む。これがまた実に美味い。路地裏の牛、洗濯をする母、交錯し、溶け合う生と死、聖と俗。

そしてイスラム諸国にも行きたい。晴れ渡る空の青とモスクの白のコントラスト。屈強な男たち。顔を隠した美しい女たち。1日数度の西への祈り。

また最近、特に興味を惹かれているのはアフリカだ。キリマンジャロに登りたい。ナイル川に身を浸したい。大地の鼓動と剥き出しの人間の本能(これは時として容易に危険な要素にもなりうるだろうが)に触れたい。ナイロビの夜の裏町を散歩したい。

アイルランドにも行きたい。イタリアにも行きたい。ロシアにもペルーにもグアテマラにも行きたい。

が、金がない。時間もない。

故にブレーキがかかる。

金の問題の方が深刻だな。金があれば時間はきっと無理やり作るだろう。今、私は日々の演奏のチップ程度の小銭で生活しているので、笑えるほどに貧乏である。これはこれで楽しいのだけれど。

誰かが私の演奏を聞いて

「彼はきっとインドに行ったら更に良いピアノ奏者になるよ」

と言って私にポンと旅費を100万円ほどくれないかと夢想する。宝くじで一等を当てるのとどっちが難しいだろうか。

今日も今から演奏だ。旅費の100万円を貰えるように頑張ろう。

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