ジョニーインブルー
祇園での深夜の演奏を終えて帰宅。今日はジャズ以外の曲をたくさんやったなあという印象。たまにはこういうのも悪くない。もちろん私はジャズを最も愛しているが、昔からよく聞いていたという意味での私の音楽的なルーツは、クラシックであったりロックであったりジャパニーズポップスであったりもする訳だ。中にはジャズだけを聞いて育ちました、という人もいるだろうが、私はそうではない。中島みゆきの「かもめはかもめ」の伴奏をしていて、つくづく、そして心底から「良い曲だな」と感じるのは、私の心の極めて正直な部分なのだ。好きなものは仕方がない。ジャズミュージシャン同士での会話の中で「好きなミュージシャンは誰?」みたいな会話になった時に、中島みゆきと答えたら格好悪いと考えて「ビルエヴァンスです」などと嘘を吐くのは愚の骨頂。正直に行こう。私は中島みゆきも吉田拓郎も大好きだぜ。最近の人で言えば、Coccoという人やエレファントカシマシというバンドなんかも好きだ。日本のポップスが格好悪いなどとは微塵も思わない。好きなものは好き、嫌いなものは嫌い、そして時に起こるそのコペルニクス的転回、以上だ。
さあ、いよいよやって来た。ジョニー大倉ウエストライブツアーの集大成、西部講堂でのライブだ。今日の昼間に前日の通しリハーサルがあって、明日の本番という流れだが、私は今から鼻息荒めだ。
今回のバンドリーダー(バンマス、なんて言ったりします)である日本を代表する名ギタリスト丹波博幸氏が以前打ち上げの席でこんな事を仰っていた。「一緒に共演してバックアップしていくミュージシャンの事を、好きになれなきゃダメだ」と。そりゃそうだな、絶対にそっちの方が良いな、と思いながら話を聞いていた。私が丹波さんに「もしその人の事がどうしても好きになれない場合はどうするんですか?」と質問をすると、笑いながら「そんな仕事は初めから受けないし、仮にそうだったら降りる」と即答された。
氏が仰った事は、多分そんなに「当たり前の事」ではない、と私は思う。決して好きではないミュージシャンともきちんと仕事をこなしていく、それがプロだという考え方にも私には納得出来る部分はある。そういう考え方に基づけば、丹波さんの発言はいささか「異質」だ。しかし、ひたすらに「良い音楽」を作るのがプロだ、と考えた時、氏の発言は根本的な部分から的を射ていると私は思う。もちろん酒の席での事であるし、丹波さんはそんなに深い意味を込めて仰っていた訳ではないのかもしれないが、氏の根底にあるのは良い音楽を作りたい、という強い気持ちなのだろうな、と私は感じた。
私はジョニー大倉さんの事が好きだ。可愛がって頂いているし、彼の人間性も好きだ。丹波さんを始めとするバンドメンバーやスタッフの方々も、好きだし尊敬している。そして、やはりそう思うからこそ、精一杯の演奏を明日の西部講堂で見せたいと強く願う。入魂のロックライブです。このブログを読んで下さっている方の中で、御覧になりたいという方がいらっしゃれば、私まで一報を。チケットも少しですが持っていますので。私も「もうこれ以上は無理!」という所よりも更に少し頑張って演奏します。
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コメント
はじめましてマドロスです~
ジョニーインブルーのDVD見てます・・!
西部講堂に行けなかったのが
ザンネンです
投稿: マドロス | 2008年3月25日 (火) 19時53分
マドロスさんへ
初めまして。コメントありがとうございました。ジョニーさんのツアー、愉しかったなあ、懐かしい。ぼくはジョニーさんのバンド、離れてしまいましたが、彼は今でも素晴らしいバンドを率いて、更にカッコいい音楽へと邁進しています。どうぞこれからもジョニーさんのファンで居続けて下さいね。
西部講堂のDVDは、ぼくはガラの悪い金髪小僧ですけど多目に見てやって下さい笑。
投稿: ふくしまたけし | 2008年3月27日 (木) 20時37分