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2006年6月12日 (月)

還暦に寄せて

読んで下さっている方々には全然関係のない事なので申し訳ないのですが、本日6月12日は私の親父様の誕生日です。親父様は昭和21年生まれなので、今日で六十歳、還暦でございます。親父殿、おめでとうございます。これからもインテリヤクザのようなそのままの形で長生きして下さい。よそでケンカして帰って来るのはいいのですが、ケガだけはしないで下さい。

ちゅう事なんですが、皆様どうなんでしょうか、両親からの影響というのは。私は明らかに親父様からの影響を受けてここまで育っています。ろくでもない大人になりました。親父様は、所謂昔の文学青年。音楽家(トロンボーンをずっと吹いていたらしいです。クラシックの)か小説家になりたかったらしいです。本人が言うには、家庭の切迫した経済事情と怠け者の性格(即ちそれが才能の無さだ、と言っておりました)が災いして、どちらも諦めたと言ってましたが、綺麗に私もそのコースをなぞっていった訳ですな。文学と音楽と。そんなものに夢中になってしまった私に、親父様はどうやら正面切って「駄目だ!」とは言えないようです。オフクロは最初の内はブーブー言っておりました。「ジャズミュージシャンってみんな麻薬をやってるんでしょう?ダメよ、剛、そんな世界」オフクロ、いつの時代の話だそりゃ…それに対して親父様は「ああ、お前もか…」とうなだれていた訳ですな。お気の毒に。

私が吉本隆明なんぞを好んで読むのは親父様のせいです。無宗教にも関わらず親鸞が好きなのもそうです。聖書を読むのは半ばオフクロのせいですが。ドストエフスキーも親父様の影響ですな。坂口安吾もレイチャールズも中島みゆきも親父様の影響です。私の思考も嗜好も(ダジャレじゃない、言葉遊びだ!)かなり大きな割合で親父様に支配されているような気がします。決して悪い気はしません。そんなもんでしょう、我々凡人は。

吉田拓郎の唄に「おやじの唄」というのがあります。これが好きなので、一節を紹介します。親父殿、ちゃんちゃんこは着なくてもいいですぜ。

おやじが全てだなんて言いませんよ

僕一人でやった事だって沢山ありましたよ

一つだけ言ってみたいのは

おやじが生きるということを教えてくれたこと

おやじはやるせないくらいに精一杯でしたよ

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