もっとカガミを見て!
結局昨日は『ユリシーズ』第二巻を読破ならず。ああ、情けない。けれどその代わりに昔から大好きな短編を再度読み上げた。J・D・サリンジャーの『A Perfect Day for Bananafish』、「バナナフィッシュに最良の日」なんて邦題がついたりするあの名作(問題作?)だ。 主人公は「モット・カガミ・ミテ」、シーモア・グラース。海辺でシビルと交わす荒唐無稽かつ意味深長な会話も好きだし、何より最後の突如たる幕切れも好きだ。短い話なので、読んだ事のない方にも是非一読をオススメする。
私が好きか嫌いかという問題を客観的に排除して考えたとしても、サリンジャーの『The Catcher in the Rye』は歴史に残る名作であるし、またグラース家の物語を扱った一連の作品群(上記の「バナナフィッシュ」や『フラニーとズーイー』などなど)には、何か恐ろしいほどの説得力のようなものがある。英語はさして難しくないから、原文で読む事にさほどの苦労はない。だが、やはり私は日本語で彼の作品を読むのが好きだ。数年前に『The Catcher in the Rye』は、人気作家の村上春樹氏が訳したものが出たが、私としては野崎孝氏の訳をオススメしたい。口語訳の瑞々しさという意味ではかなりの完成度を持っている、と私は思う。サリンジャーに関して、まだまだ書きたいことはあるが、今日は時間がないのでこの辺で。また後で再び更新しようかな・・・しないかな・・・
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