木村充揮の30周年
一昨日の話だ。
家に帰ってテレビをまわしたら、NHKに西原理恵子さんが出ていた。また、最も不釣合いなテレビ局に出ているな、なんて思ったりもしたが、そこは西原理恵子大先生、NHKにはこれまた不釣合いな発言をしてくれていた。それでもまだまだ甘い。本当のサイバラはこんなものではない、私はそんな事を考えていた。サイバラ(呼び捨てにしたらいけないが、私なりの尊敬を込めて)については詳しくはサイドのリンクを。私の最も好きな漫画家だ。
そのままNHKを付けっぱなしにしていたら、「始まってしまった」のが木村充揮サマのライブ。ああ、もうテレビに釘付けだ。それは仕方のない事なのだ。彼についてもやはり詳しくはサイドのリンクを。憂歌団以来、音楽生活30周年の記念ライブの模様であった。いいのだろうか、こんなに素晴らしい時をNHKなぞに提供されてしまって。私はNHKの受信料など生まれてこの方払った事は一度もないというのに。言ってしまったな。NHKの職員の方がこの文章を見ていない事を願う。
大好きな木村充揮だけでも十二分に嬉しいというのに、ゲストがまた凄かった。たくさん出ていたのだが、覚えているだけで、ムッシュかまやつ、泉谷しげる、加川良、橘いずみ、甲本ヒロト、金子マリ、Char、近藤房之助、Begin、大西ユカリetc.etc. バックのミュージシャンもハンパではなかった。サックスの梅津和時、片山広明を始め、トロンボーンの大迫明...(全て順不同、敬称略、並びにリストとしては大いに不完全)。どこを見ても私の憧れの大好きなミュージシャン達で溢れ返っていた。一人一人に対する私の思い入れを「簡単に」書いても、一人あたり原稿用紙5枚分は書ける。たとえば「私とザ・ブルー・ハーツ」という題なら。ううむ、書きたい事は山ほどある、とめどなく溢れ出す。「夕暮れ」という歌が好きだ、とか。だから敢えて書かない。とにかくみんな素晴らしくカッコイイミュージシャンだ。こんなイベントがやっていたなんて知らなかった。生で見たら間違いなくションベンをちびっていただろうな。それでも生で見たかった。最高のライブだ。
去年、香里園という町の音楽祭で幸運にも木村氏と共演する機会を得た。素晴らしいゲストだらけのこのライブの中心にいた木村充揮という天使のようなヨッパライのオッサン、いや、ダミ声の悪魔、何でもいいや、とにかく木村充揮サマと私はほんの30分ばかりだが、その時に共に「音楽」という物を介して楽しみを共有した体験を持つ事が出来たという事に私はひどく誇らしい気持ちを感じ、そして同時に惨めな気持ちにもなった。私はその共演、それっきりだ。テレビの中に写っていた木村充揮バンドにはきちんとピアニストがいた。私の100倍ぐらい上手かったし、100倍ぐらい良いピアノを弾くピアニストだった。失礼な事に彼の名前は忘れた。しかし、いや、やはり、何から何まで私は彼に負けていた。当たり前と言えば当たり前の事なのだが、おこがましくも私はその事がたまらなく悔しかった。木村バンドのピアニストのイスに座りたい、とても無茶な欲だが、心の底からそう思った。
荒唐無稽でも何でも構わない。10年後、とはいかなくとも、20年後、30年後でも構わない、木村バンドのピアニストの座を虎視眈々と狙い続ける事にしよう。私が木村バンドのピアニストになるに相応しく成長を遂げるまで、元気に木村充揮氏には音楽を続けて頂きたい。歌い続けて頂きたい。そんなに時間はない。絶対無理!と思った人は、保護動物を見守るような暖かい目で私を見てやって下さい。「ああ、あの人はかわいそうな人なんだ」と。
自分の悔しさみたいな感情を赤裸々に書くのは、本当に恥ずかしいな、とここまで書き終わって思った。あまりそういう事を書くのは控えていこう、と思う。でももう書き上がっててしまったし、これも仕方がない事なのだ。
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コメント
久しぶり。阿佐ヶ谷に来てたときは「なんで連絡せんねん!」と思ったけど、お察しの通り、パソコンを前に目が血走っていたからどっちみち動けなかった。
それよりも、「おい!」と思ったこと。なんかエピソードが合致するぞ!自分のHPにヒロトのフレーズ書いたあと、こっちをのぞいたらお前もブルーハーツかよ!前にも相田みつおネタとか、ほかにもなんかあったような…。なんか同じタイミングでリンクする。不思議なもんだ(あ、偶然だということは100%わかってるので)。俺は『ダンスナンバー』で原稿用紙10枚書きたい。
楽しく読んでいるので、これからも毒はいてね。
あと、冗談いっちゃいけない。『人間失格』の主人公はこの俺なのだから。
投稿: 石田ゆうすけ | 2006年4月11日 (火) 12時23分
石田さんへ
お久し振りです。阿佐ヶ谷に行く時は連絡しようかどうしようか迷ったのですが、結局地元の小岩でうだうだしていたら、阿佐ヶ谷に着いたのが夜の12時過ぎだったもので、もういいか、となってしまって。ゆっくり話したいですし、今度は早い時間に阿佐ヶ谷行って、そこでのんびり酒を飲みましょう、文学談義という名目の単なる時間の浪費を一緒にエンジョイしましょう。
それはそうと、連載始まったのですね。このブログを読んでいる人に僕から個人的に宣伝しますが、「BE-PAL」という雑誌で始まったそうです。詳しくはサイドのリンクの石田ゆうすけさんの所から見て下さい。
僕も楽しみにしています。最近困ったくらいに金がないので、本屋の立ち読みで済ませてしまうかも知れませんが、そこは悪く思わないで下さいね(笑)
あと、残念ながら、『人間失格』の主人公はこの僕です。生まれてきてすみません。
投稿: 福島剛 | 2006年4月11日 (火) 14時28分
業務連絡
ジャズストの件ですが、たかつき美術教室にて、ベースはアンプなしだそうですがよろしいでしょうか?(持込は可)日時は4日15時です。可、か不可かだけでよいので連絡ください。このブログでも構わないので早急にお返事いただければありがたいです。何度もすみません。
投稿: はたけやまさん | 2006年4月11日 (火) 15時01分
はたけやまさんへ
返事遅れました。OKです。空けておきます。ベーシストデビューします(笑)
投稿: 福島剛 | 2006年4月13日 (木) 09時40分