トリノオリンピック観戦記②
何度も言うが、冬のオリンピックについては私は完全に門外漢だ。こんな機会でもなければ、スキーもスケートもきちんと見る事は決してない。私のような人は案外多いのではないだろうか。普段は見ないが、この時期だけついつい一生懸命見てしまう人というのは。にわかスキーファンや、にわかスケートファンが大量増殖する訳だ。もちろん私もそんなにわかファンの一員だ。
さて、そんなにわかファンでも間違いなく顔と名前が一致する、日本選手団随一の有名人がいる。原田雅彦、ジャンプスキーの大ベテランだ。実はこの彼が、彼自身四回目になるという今回のオリンピックでとんでもない事をやらかした。
多分、それなりに苦労人なんだろうと思う。苦労人は、えてして他人に厳しくなるタイプか他人に優しくなるタイプかに二分されるが、彼はどうやら後者のようだ、あくまで推測の域を出ないが。そしてそれは、時として「甘さ」のように現れる事もある。ブラウン管越しに伝わって来る、そんな彼の「憎めない不完全さ」が彼の人気の所以ではないだろうか。
しかし、昨日の彼の失敗は笑い事ではなかった。規定体重にわずか200グラム満たなかった為に、予選競技終了後、失格になってしまったのだ。原田本人は初歩的なミス、と唇をかみしめていたが、そこまで簡単に割り切れる問題ではないだろう。周囲の期待もあっただろう、ベテランゆえのプライドもあっただろう、何より四年間の間にじっくり培って来た勝負への執着心があっただろう。それをわずか200グラム、体重が足りなかっただけで全て棒に振っているのだ。悔しかったろうな、とも思う。
だが、やはり原田雅彦の何より驚嘆すべきはそのキャラクターだ。この一世一代の大失敗にも関わらず、テレビの中の彼を見ていると「しょうがねえな、このオッサンは」という、何ともほのぼのとした気持ちにさせられてしまう。原田雅彦、恐るべし。
よくは知らないが、多分原田も今回のオリンピックではまだ出番があるのだろう、それに強く期待する。もう笑いを取りにいかなくていいぞ、なんて思いながら。
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コメント
上村、いい滑りだったね。
原田に関しては、身長と体重でスキーの長さを規制するというルールそのものが俺は気に入らないです。そんなの、でかいやつが有利になるだけじゃないか? 毛唐の策略としか思えん(笑)。
投稿: torii | 2006年2月13日 (月) 11時18分
toriiさんへ
少し大人になってオリンピックを見ると、禁断のヤオガチ論でもぶっ放したくなるぐらい、商業ベースのイベントになってしまってますよね。あえて踊らされとこう、みたいな所があって僕も見てるんですけど、確かにこのスキーのルールもしかり、おかしな点はたくさんありますね。判官贔屓じゃないですけど、小兵が勝つ面白さ、っていうのもスポーツの楽しみとして絶対にある筈なのに、そこは結構無視ですもんね、おかしな話だ。
投稿: 福島剛 | 2006年2月14日 (火) 18時24分