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2006年1月11日 (水)

パートナー

始まってしまった。何がって大相撲。これが始まってしまうと、夕方五時から六時ぐらいまでの間が身動きが取れなくなる。家にいなかった時は、夜のスポーツニュースに釘付けだ。本日の琴欧州は?栃東は?そして朝青龍は?ええ、もう大好きなんですよ、大相撲。ちなみに一番好きな力士は前述の栃東。頑張れ、足立区の星!

さてさて今日は私の音楽活動の紹介の一環として、黒田雅之氏という人を紹介したい。無論本人の了承はとっていない。まあ、いいだろ。どうせ私が自分の日常をこういった形で綴っていったら、好むと好まざるとに関わらず、名前を出さずにはいかないのだから。 彼はサックス吹きだ。このブログの横のリンク集の紹介文でも書いているが、私のライブ活動の大半を一緒に行っている。 まず初めに、極めて大雑把に全てのサックス吹きを「やかましいサックス吹き」と「静かなサックス吹き」とに二分した時、彼は間違いなく「やかましいサックス吹き」だ。これは本当に良い意味でも悪い意味でも、なのだが。もちろん私も良い意味でも悪い意味でも、どちらかと言えば「やかましいピアノ弾き」なのでお互い様なのだけれど。良く言えば情熱的、悪く言えば子供染みていてお騒がせ、という所だろうか。 私が彼と共に音楽をやろうと思うのには様々な理由があるが、一番には「楽しいから」というのがある。彼は私よりも(確か)五歳年上だが、音楽的には対等な立場でやらせてもらっている。つまり、彼のサックスに対して私がケチをつける事はきちんと許されているし、彼が私のピアノに対してケチをつける事も当然許されている、という事だ。だから楽しい。これが当たり前のようで、なかなか当たり前ではないのだ。人間というのは利己的に出来ているから、自分が認めていない人間からの駄目出しは素直に受け入れがたい。という事は、こうした音楽的なパートナーに対しては、或る程度尊敬の念みたいな物がお互いの根底にないと、駄目出しは単に下らない喧嘩の原因に堕し、双方の向上の為にはならない。特にきちんとした額のお金が動いていない我々のようなアマチュアのミュージシャンの世界ではそれは尚更だ。甘い考え方だ、と思わなくもないが、こうした過程を経ずにシビアなプロの思考回路に辿り着く方が私には不自然に思える。 要するに、現時点では私自身が彼の演奏に敬意を抱いているからこそ彼に対して正直に意見出来るし、その逆もまた同様という事だ。そう考えると、良い形で共にやっているな、と感じる。感謝している。 彼とは、演奏以外の部分での付き合いも大分ある。結構仲は良いんだ、これが。そしてこれが面白い事なのだが、演奏以外の部分では明らかに上下関係がある。しょっちゅう私は彼に怒られている。怒られる内容の多くはお酒の事や私の社会性の無さに関する事が多い。記憶をなくすまで飲むな、とか嫌いな人間や嫌いな場における立ち振る舞い方とか、小学生が怒られるような内容で「指導」される。非常に耳が痛い事が多いので、私も「はい…はい…」と素直に聞く。また彼の奥さんは久美子さんと言うのだが、彼女にもよくお説教される。「剛、ちょっとここに座りなさい」みたいな感じで。本当にいつも家族ぐるみで世話になっている。 私の血のつながった家族は東京に住んでいるが、血のつながっていない家族も何人か京都に住んでいて、彼らはその中の一家族だ。私にとってはとても大切な人達だ。 そんな黒田さんにも悪い所がある。パソコンの話を始めると話が長くなる所だ。「なんとかプロキシが…」とか「サーバーがどうでこうで…」とか言うと、さっぱりわからないので「黒田さん、日本語を喋って下さい」と言う事にしている。昨日も「僕、インターネット繋ごうと思ってるんですけどねえ」とか言ってしまったものだから、そこから30分ぐらい「サルでもわかるインターネット講座」が始まってしまった。さっぱりわからなかったが。 ちゅう事で、彼とのステージが今月もたくさんありますので、興味のある方は見に来て下さいね。

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コメント

おはようございます。
私はお正月が明けてバイトが始まったものだからちょっとヘロヘロっています。

福島さんの書く文がとってもスゴクて小説みたいで(特に6日の 散歩 がお気に入り)いいなぁ~と思っています。

お正月に読もうと買い込んでいた本の一冊が読めて、やっともう一冊を読み始めました。うーん、まぁ、それだけのことなのだけれど、読み終えたときはとっても嬉しいし、読んでるときも、とても楽しいのです。

投稿: M | 2006年1月12日 (木) 07時51分

Mさんへ

小説みたいですか。うーん、何とも言えないです。実は僕は、二十歳ぐらいの時に本格的にピアノを始めるまでは、ずっと小説家になりたかったんです。正確には、ピアノを始めてからも数年は小説を書き続けていました。恥ずかしい過去でもあるのですが。。。。
未だに文学という分野は僕にとって「生活を賭ける程の覚悟は持てないけれど、趣味と言い切ってしまうにはそこまで軽くないもの」なんですよね。何にせよ、僕も本を読むのは多分死ぬまで好きな事になるだろうと思っているので、Mさんの本読みの楽しみも少しは共感する部分もあります。

投稿: 福島剛 | 2006年1月16日 (月) 18時30分

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