戯言 ヨノナカバカナノヨ
今日は雨か雪が降ってほしいな。
さっきの文章を書いたのは、夜11時ぐらい。今が大体午前2時前。また二時間ほど寝て起きてしまった。最近、朝まで熟睡する事が出来ない。 目が覚めてしまうとなかなか再び寝付けないので、そういう時は本を読むかお酒を飲むか音楽を聴くか、どれかだ。最近はそこに今やっているようにブログに文章を書く、という行為も加わって来ている。 そういう時は、本も音楽もなるべく意識的にライトな物を選ぶようにしている。本だったら例えば村上春樹の小説とか幸田文のエッセイとか、或いは「TOEICテストにでる順英単語」とか。(ちなみに私はTOEICという英語の試験は受けた事がない。難しいのかどうかすら知らない)音楽だったら矢野顯子とか中島みゆきとか吉田拓郎とか。 ここで一つ浮上して来る問題としては彼ら(つまり村上春樹や中島みゆきたち)が真に「ライト」な文化、或いはメッセージを発しているのか否かという事だが、私の導く結論としては彼らは決して「ライト」ではない。むしろ「相当にヘビー」な部類に入ると思う。
あれ、それじゃ何か矛盾してないか?先程私は「ライトな物を」と言ったではないか?いやいや、これは決して矛盾していないのだ。
彼らの文化なりメッセージなりを受けとる私の問題があるのだ。私は彼らの表現手段を単純に「他人事」として捉えている。つまり、表現している(或いは表現しきった)その対象には大いなる憧憬と嫉妬を抱き、あまつさえいささかのシンパシーも抱くが、そこに至る過程というものは、私にとっては随分と遠い出来事のように思えて、そこまでを深く追求する気にはなれない。HowよりもWhatに興味がある、と言ったらわかりやすいだろうか。 ひょっとしたら似たような事を以前にも書いたような気がしているが、今はこのまま続けてみたい(笑)
例えば今夜のこのブログ更新のお供はIWハーパーのオン・ザ・ロックと矢野顯子だ。矢野顯子は、私と形の上では同じピアノ弾きだが、私は彼女のピアノ演奏それ自体にはさほどインスピレーションを刺激される訳ではない。彼女がピアノを弾く事にはやはり或る種「必然的な」印象を覚えるが、それは所詮手段の一つでしかない。彼女の真に素晴らしい点は、その手段を用いて「確かな何か」を現実世界へと還元し、具象化した事にある。そういった意味では、彼女の感性を過不足なくサポートした、手段としてのピアノ演奏は本当にすごいと思うのだけれど。
語弊を恐れずに言うと、私は自らを「ジャズの人間だ」と自覚している所があるので、それ以外の音楽はいくらヘビーでエグかろうと、のほほんと聴ける部分があるのだ。だからこそ、それらを私は「ライト」と評した。 差別化を計っているつもりはあまりないが、私は自分の事を「どんな音楽でもどんな文学でも雑食的に受け入れる人間」だとは思っていない。もっと意固地で、狭い世界の住人だ。しかし、下らないと私が思う物は、批判を覚悟の上で「下らない」と言う必要があると思っている。それも、よく見たり聴いたりせずに、頭ごなしに独断と偏見によって「下らない」と一言に切って捨てる必要が。 全ての人が物分かりが良くなってしまって、何でもかんでも「これはいい、あれもいい」と褒めちぎってしまっては、本当に素晴らしい物が埋もれてしまう。本当に素晴らしい物はそんなにたくさんはないのだ。世の中の大半の物は退屈だ。
はっきり言うと、私は全然素晴らしくない。下らない。
IWハーパーはたった一杯しか飲んでいない。決して酔うような量ではない。けれど、久しぶりに訳のわからないくらいのハイテンションで書きまくってしまった。風邪薬とウィスキーのコンボがまずかったのだろうか。書き始めたのは二時前だったが、今は三時前だ。少しすっきりした。
矢野顯子の音楽がまだ後ろで小さな音で鳴っている。再び安らかに眠りにつけるかわからないが、今はしばらくこの独特の世界に身を沈める事にする。
安心な僕らは旅に出ようね
か。何となくわかるような気もする。よくわかるような気もする。全くわからないような気もする。そんなもんか。
今から最後の仕上げとして文章の冒頭に一文挿入して、更新します。長いのに最後まで読んでくれた人、ありがとう。御礼に書かれた順序の種明かしでした。最初が最後です。
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